• 2026年2月26日

スタチン副作用の真実:大規模二重盲検RCTメタ解析による再評価

コレステロール低下薬であるスタチン製剤の添付文書に記載されている副作用の妥当性を、大規模な二重盲検ランダム化比較試験(RCT)のメタ解析です。背景として、現在の添付文書(SmPC)に記載されている副作用の多くは、バイアスが生じやすい非ランダム化研究や症例報告に基づいており、その因果関係が不透明であるという課題がありました。

研究チームは、約15万4千人の参加者を含む23の試験から得られた、膨大な個別データを精査し、これまでに副作用として報告されていた66の疾患項目について解析した結果、認知機能低下、うつ病、睡眠障害、末梢神経障害、勃起不全、急性腎障害など、62項目についてはスタチン投与との有意な因果関係は認められませんでした

一方で、統計的に有意なリスク増加が確認されたのは、肝トランスアミナーゼ異常、その他の肝機能検査異常、尿組成の変化(主にタンパク尿)、および浮腫(むくみ)のわずか4項目のみでした。特に肝機能異常については、投与量が多いほど頻度が高まる「用量依存性」が示されましたが、これら4項目の年間当たりの絶対的なリスク増加幅はいずれも0.1%未満と極めて小さいものでした。また、以前から報告されている筋肉症状や糖尿病リスクについても再確認されていますが、心血管イベントの予防効果と比較すればそのリスクは限定的です。

誤った情報により治療を中断することは、回避可能な心臓病や脳卒中のリスクを高めることに繋がります。そのため、著者はエビデンスに基づいて添付文書を改訂すべきだと提言しており、スタチンによる心血管疾患の予防効果という利益は、特定された僅かなリスクを遥かに上回ることを改めて強調している内容になっています。

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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