- 2026年1月13日
Wellens症候群の一例:不安定狭心症の中で胸痛を一度自覚した後の症状が消失した時間帯に前胸部誘導でT波に心電図変化を示す症候群
冠動脈疾患を有する58歳男性。
昨日から安静時にも断続的な胸痛が出現し、改善しないため、救急外来を受診した。
受診時には胸痛は認めなかった。ECG施行。
ECGではV1-4に陰性T波を認めた。

TPTは0.41(参照値<0.1)と上昇を認めた。
「Wellens症候群」が疑われた。
Wellens症候群とは不安定狭心症の中で胸痛を一度自覚した後の症状が消失した時間帯に前胸部誘導でT波に心電図変化を示す症候群。
循環器内科コンサルトし、同日の後半にカテーテル検査が予定された。
待機中(来院後80分)に再度胸痛が出現し、再度ECG施行。
V1-6にてST上昇を認めた。

緊急PCIが施行され、近位左前下行枝に100%狭窄を認めステント留置となった。
Wellens症候群は特にV2-3にて閉塞された左前下行枝の自発的な再灌流後に発生する痛みの無い期間に診られるT波異常が特徴的。不安定なプラークによる冠動脈狭窄の再発のリスクを考慮すると、緊急のCAGの適応となる疾患である。
患者はステント留置後、2週間の心臓リハビリテーションを行い、退院することができた。
N Engl J Med 2022; 387:e25
DOI: 10.1056/NEJMicm2201699
柏五味歯科内科リウマチクリニック
ホームページ