• 2025年9月30日

喉頭カンジダ症

78歳男性。既往に糖尿病とCOPDがある。

約2か月続く声の出しにくさを主訴に耳鼻科受診。

過去10年間、COPDを管理するためICS/LABAを吸入していた。

胃食道逆流症の病歴はない。

身体検査では声はかすれていた。中咽頭は正常だった。

光ファイバー咽頭強検査により、両側声帯にに白色プラークが存在することが分かった。

一部プラークを生検。Grocott染色施行し陽性で角化過多重層扁平上皮と糸状フィラメントを認めた。

上記所見より「喉頭カンジダ症」と診断された。

喉頭カンジダ症は「発声障害」で受診しICS吸入や糖尿病の存在、胃食道逆流症、免疫抑制状態がリスクとなる。

喉頭のみにカンジダを認める事もまれにある。

喉頭カンジダ症以外に白板症(癌化しうる粘膜疾患)や悪性腫瘍が鑑別。

FLCZによる治療を受け、2週間後には発声は正常に戻り、咽頭鏡検査でも声帯が正常に戻っていることが確認された。

N Engl J Med 2023; 389:e5

DOI: 10.1056/NEJMicm2215136

柏五味歯科内科クリニック

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