• 2025年9月30日

孤立性尺骨骨幹部骨折(バッドで殴られた時の自己防衛反応):警棒骨折

60歳の左利きの女性。パートナーに野球バットで殴られ、手で防御したところ左前腕に痛みが出現し救急外来受診。

身体所見としては左前腕に腫脹を認め、同部位は圧痛があった。特に他動的な回内運動と回外運動にて疼痛著明だった。皮膚には特記すべき所見を認めなかった。神経損傷は認めなかった。その他の部位に外傷はなかった。

左前腕のX-p施行。孤立した尺骨骨幹部骨折を認めた。

「孤立性尺骨骨幹部骨折」と診断。別名「警棒骨折」としても知られている。

前腕へ鈍的外傷により生じる。

典型的には親密なパートナーからの暴力など、頭や胴体への攻撃に対する自己防衛として上腕を上げるときに発生する。

本症例は患者の安全性と精神的健康に関する包括的な評価も施行され、社会サービスが提供された。

骨折の観血的整復と内固定を行った後、副木固定を受けた。

10週間後には患者は完全に機能回復した。

また保護のための接近禁止命令を取得し、ソーシャルワーカーの援助を受けていた。

N Engl J Med 2023; 388:e59

DOI: 10.1056/NEJMicm2211242

柏五味歯科内科クリニック

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