• 2026年3月24日

結腸原発と考えられる転移性神経内分泌腫瘍を背景にしたカルチノイド心疾患の一例

67歳男性。

約1か月前から呼吸困難、下痢が出現し、昨日から腹痛が出現したため外来を受診した。

身体所見では頚静脈怒張、左胸骨下縁の全収縮期雑音、びまん性喘鳴、下肢浮腫を認めた。

CTでは虫垂と上行結腸の肥厚、造影CTでは多数の造影効果のある肝病変が示唆された。

経胸壁心エコー検査では、可動性が制限され肥厚した硬い三尖弁と重度の三尖弁逆流が示唆された。

肺動脈弁ははっきりと観察されなかったが、肺動脈逆流も示唆された。

24時間尿中5-ヒドロキシインドール酢酸レベルは174mg(基準値<15)であった。

肝生検が施行され、神経内分泌腫瘍が示唆された(クロモグラニンA染色)。

結腸原発と考えられる転移性神経内分泌腫瘍を背景にカルチノイド心疾患を伴う「カルチノイド心疾患」と診断された。

カルチノイド心疾患は肝臓の神経内分泌転移から放出される高レベルの血管作動性物質が右心室に流れ込み、心内膜損傷を起こすことで発症する。利尿薬とオクトレオチドによる治療が開始されたが、治療抵抗性を示し、患者はその後ホスピスケアを選択肢、1か月後に死亡した。

N Engl J Med 2022; 386:e56

DOI: 10.1056/NEJMicm2118205

柏五味歯科内科リウマチクリニック

ホームページ