- 2025年10月14日
レジオネラ肺炎の胸部レントゲン(X-p)写真
レジオネラ肺炎、医師ならば見落とすことが非常に怖い疾患です。なぜならCTRXを選択しても効果が無く、悪化するからです。どのようなことに注意すればよいのでしょうか?
まず発生する場所に特徴があります。レジオネラ菌は水回りから発生するエアロゾル(細かい水滴)にて繁殖します。具体的には、浴槽の清掃をこまめに行いお湯を入れ替える、加湿器の水を毎日交換してタンクを洗浄する、土ぼこりを吸い込まないようマスクを着用するなどの対策が重要です。「温泉に行きませんでしたか?」と医師がしつこく聞く理由はレジオネラ肺炎を否定するためです。

所見としては、左下葉(心陰影とシルエットサイン陰性、大動脈や横隔膜とはシルエットサイン陽性)に限局した濃度上昇を認めます。ここからでは「レジオネラ肺炎」と確定に至ることはできません。このような患者に「下痢」があった場合は疑わなくてはなりません。SpO2は 91(r.a)くらいであることが多いです。
救急外来を紹介されるとCT撮影されます。

左下肺に限局した浸潤影とすりガラス陰影を認めます。
この所見を見たら尿中抗原を必ず確認してレジオネラを否定する必要があります。
レジオネラ尿中抗原:陽性。
レジオネラ肺炎に対してはCTRXではなく、AZMやLVFXによる加療が必要です。
柏五味歯科内科クリニック
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