- 2025年11月11日
治癒した帯状疱疹感染部位を免れる薬疹:今のところ原因は同定されていません。しかし確かにある病態です。治療はステロイド投与です。
77歳男性。2週間前に右T3、T4領域に帯状疱疹感染を起こし、1週間のVACV(バルトレックス🄬)による治療を受けていた。また10日前からセレコキシブを毎日服用した。
2日前から右胴体の一部皮膚領域を残し、びまん性に発疹が出現し処方した内科医を受診した。
身体所見としては痂皮を形成した帯状疱疹病変の周囲の皮膚には癒合した紅斑性発疹が見られた。

皮膚生検の結果は薬疹と一致し、パッチテストが施行され、セレコキシブが引き金であることが特定された。
治癒した帯状疱疹感染部位を免れる薬疹であり、「逆同位体反応(同位体非反応とも言われる)」と診断された。
逆同位体反応は以前は無関係で、治癒した皮膚疾患の影響を受けた皮膚領域が新たな皮膚疾患によって免れるときに発生する。このメカニズムはまだ不明。
経口GC療法が開始され、セレコキシブの内服は中止された。
約10日でびまん性発疹は完全に消失した。
N Engl J Med 2022; 387:2171
DOI: 10.1056/NEJMicm2205584
柏五味歯科内科リウマチクリニック
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