- 2025年11月25日
非専門医でも診る必要のあるRA⑦ 高齢者の関節リウマチの治療

高齢者の関節リウマチ治療には、若年者とは異なる安全性に関する特別な考慮が必要です。主な問題点は、加齢に伴う体の変化、併存疾患の多さ、多剤併用による副作用リスクの増大に起因します。
安全性の主な問題点
- 併存疾患の影響: 高齢者は高血圧、糖尿病、心血管疾患、腎機能障害、呼吸器疾患、骨粗鬆症など、複数の併存疾患を抱えていることが多く、これらの疾患が治療薬の選択や安全性に影響を与えます。
- 薬物の副作用リスク増大:
- メトトレキサート (MTX): 関節リウマチ治療の中心的な薬剤ですが、高齢者では肝機能障害、消化器症状、血液障害、肺障害(間質性肺炎など)などの用量依存性副作用が発現しやすいため、低用量からの開始や慎重な増量が必要です。
- 非ステロイド性消炎鎮痛薬 (NSAIDs)・ステロイド: 消化性潰瘍や腎機能障害のリスクが高く、特に長期使用や他剤との併用時には注意が必要です。
- 生物学的製剤・JAK阻害薬: 免疫抑制作用により、重篤な感染症(肺炎、帯状疱疹、結核など)のリスクが高まる可能性があります。
- 多剤併用 (ポリファーマシー): 複数の疾患に対して多くの薬を服用することが多く、薬物相互作用や有害事象のリスクが増加します。
- 認知機能の低下: 服薬管理が複雑になると、指示通りに薬を服用できない可能性があり、アドヒアランスの低下や誤薬のリスクが生じます。
対策と診療のポイント
これらの安全性の問題を管理するため、以下の点が重要です。
- 治療前の適切な評価: 治療開始前に、併存疾患、腎機能、肝機能、感染症リスクなどを十分に評価します。
- 個別化された治療選択: 患者さん一人ひとりの状態に合わせて、薬の種類や投与量を慎重に選択します。例えば、腎機能が低下している場合はMTXの使用に注意が必要です。
- 低用量からの開始と漸増: MTXなどの薬剤は、高齢者では低用量から開始し、安全性と有効性を確認しながら慎重に増量することが推奨されています。
- 副作用の予防と早期発見:
- ステロイド併用患者には、骨粗鬆症予防薬や消化性潰瘍予防薬が併用されることが多いです。
- 感染症予防のために、肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンの接種が推奨されます。
- 定期的な血液検査や画像検査で、副作用の早期発見に努めます。
- 多職種連携: 医師と薬剤師が連携し、服薬管理の支援や多剤併用の見直しを行うことが重要です。
■MTX投与で効果不十分な高齢者について
・MTXで効果不十分な場合はMTXの他にSASPやBUC、Tac、IGU、海外ではHCQなども用いられる。
・MTXが使えない場合もSASPやBUC、Tac、IGUを組み合わせながら診療します。
柏五味歯科内科リウマチクリニック
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