• 2025年11月26日

塞栓性網脈動脈分枝閉塞症:突然の視野欠損。その時疑う疾患です。今回は大動脈弓移植片血栓症が引き金です。

53歳男性。既往に大動脈瘤があり、複数回の大動脈弓再建術を受けている。直近では大動脈弓は移植片血栓症によりバイアスピリンとアピキサバン(エリキュース🄬)を内服していた。

今回、左眼の下方視野が突然見えなくなったことを主訴に救急外来を受診した。

眼に疼痛は認めなかった。

眼科検査がすぐに施行され、右眼視力は1.0、左眼は0.8だった。眼底検査では左眼の網膜中央動脈の上部分に複数の動脈充填欠陥が示された(↓)。

これは血小板フィブリン塞栓と一致する所見であり、網膜の白色化を伴わない黄斑浮腫痕跡もとも合っていた。

「大動脈弓移植片血栓症による塞栓性網脈動脈分枝閉塞症」と診断された。

抗凝固療法が継続されたところ、視覚障害は改善し、24時間後の再眼底検査では塞栓の消失が確認された。おそらく溶けたと考えられた。

その後自宅に退院し、引き続き抗凝固療法を受けた。

2週間後のフォロー外来では視力・視野検査・眼底検査いずれも正常化していた。

N Engl J Med 2023; 389:e24

DOI: 10.1056/NEJMicm2303399

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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