- 2025年11月28日
シートベルト大動脈:腹部大動脈がシートベルトと椎骨の間に挟まれることで起こる圧挫傷の症例
53歳女性。
運転手でシートベルトを着用していたが、正面衝突事故を起こし腹痛を訴えて救急搬送された。
身体所見では、右肺野の呼吸音の減弱し、腹部の触診ではびまん性圧痛を認めた。
下腹部には斑状出血の水平パターンが明らかになった(A)。これは「シートベルトサイン」として知られている。

造影CT検査では、L4前方の腹部大動脈の全周性内膜破壊を認めたこと(B)とL4椎骨骨折(C)があきらかになった。造影剤の大動脈血管外漏出や大動脈解離、血栓症は認めなかった。

「シートベルト大動脈」(腹部大動脈がシートベルトと椎骨の間に挟まれることで起こる圧挫傷)と診断された。
その他、肋骨と椎骨骨折、右血気胸、回腸穿孔も合併していた。
緊急開腹術施行。大動脈の外部損傷は認められなかった。開腹術の4日後、下肢虚血リスクを軽減するため、血管内大動脈修復術が施行された。長期入院の後、リハビリ施設に転院した。
N Engl J Med 2022; 387:1794
DOI: 10.1056/NEJMicm2204183
柏五味歯科内科リウマチクリニック
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