• 2025年12月1日

出血性虹彩微小血管腫:外傷、眼内癌、癌虚血の結果として発生することが多いですが特発性もあります。閲覧注意。

72歳男性。

T2DMがあるものの良好にコントロールされていた。

4時間前から右眼に不快感と視界のかすみが出現し、救急外来受診。

眼の外傷や抗凝固薬の内服等はなかった。

右眼には結膜注射痕があり、視力は0.7であった。

眼球運動と瞳孔反応は正常だった。

細隙灯検査では、前房に拡大した血液プールが見られ、これは前房水腫として知られる状態だった。

この血液は上瞳孔縁にある「虹彩微小血管腫」より出血していることが確認された。

軽度の非増殖性糖尿病性網膜症も認めた。眼圧は両眼ともに正常眼圧であった。

「出血性虹彩微小血管腫」と診断された。

虹彩微小血管腫は外傷、眼内癌、癌虚血の結果として発生することが多いが、特発性もある。

本症例の原因は不詳であった。

治療として、床上安静、頭部挙上による保存的治療が推奨され、毛様体けいれんと眼内炎症を最小限に抑えるため、局所アトロピンと局所デキサメタゾンが処方された。10日後のフォローアップでは症状は軽快を認め、微小血管腫のレーザー光凝固は延期された。

N Engl J Med 2022; 387:e40

DOI: 10.1056/NEJMicm2201912

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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