- 2025年12月23日
全身性強皮症と代表的自己抗体と病型

全身性強皮症(SSc)の代表的な自己抗体には抗トポイソメラーゼI(Scl-70)抗体、抗セントロメア抗体、抗RNAポリメラーゼIII抗体などがあり、これらは病型(皮膚硬化の広がり)や特定の臓器障害(肺線維症、腎クリーゼなど)と強く関連し、病態予測の指標となる。
これら特異的自己抗体は、通常一人につき一種類が陽性で、病気の進行とともに変化しにくく、疾患の診断と治療戦略決定に不可欠な「疾患標識抗体」である。
■抗Scl-70(トポイソメラーゼI)抗体
特徴:びまん性皮膚硬化型(広範囲に皮膚が硬くなるタイプ)に特徴的で、肺線維症(間質性肺疾患、ILD)を合併するリスクが高い。
関連病態:びまん性皮膚硬化、間質性肺疾患(ILD)、関節炎。
■抗セントロメア抗体
特徴:限局皮膚硬化型(指や顔などに限局し、内臓障害は徐々に進行するタイプ)に多く見られる。
関連病態:レイノー現象、指の潰瘍(デジタル潰瘍)、肺高血圧症(PAH)、肝障害(原発性胆汁性胆管炎など)。
■抗RNAポリメラーゼIII抗体
特徴:びまん性皮膚硬化型で陽性となることが多く、皮膚硬化の進行や臓器障害と関連。
関連病態:皮膚硬化の進行、特に体幹や下肢の皮膚硬化、急性腎クリーゼ(重篤な腎障害)のリスク。
■抗U1-RNP抗体
特徴:全身性強皮症だけでなく、混合性結合組織病(MCTD)とのオーバーラップ症候群でも陽性となる。
関連病態:レイノー現象、手指の腫れ(ソーセージ指)、関節炎、消化管障害、肺高血圧症など。
※自己抗体の臨床的意義
疾患標識:強皮症に特異的で、発症前から存在し、病気のタイプ(病型)や予後を予測するのに役立つ。
病態の指標:どの臓器に障害が起きやすいか、病気が進行しやすいかなどを推測し、患者の訴えから早期に治療対象病変を同定するのに役立つ。
柏五味歯科内科リウマチクリニック
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