- 2025年12月25日
全身性強皮症と診断するために除外する疾患⑤ 硬化性粘液水腫
硬化性粘液水腫(Scleromyxedema)は、皮膚の真皮層にムコ多糖類(粘液状物質)が異常に蓄積し、皮膚が硬く肥厚する疾患。
特に顔や手足に黄赤色の丘疹(ぶつぶつ)や苔癬化(たいせんか)した局面(ただれたような状態)が広範囲に現れ、全身性(全身に広がるタイプ)では重篤な自己免疫疾患や骨髄腫、糖尿病などと関連することがある。
甲状腺機能低下症(粘液水腫)の皮膚症状とは異なり、ムチン沈着(ムチン沈着症)の一種で、しばしば全身症状を伴う。

(J Am Acad Dermatol. 2013;69(6):1062-1066.)
皮膚症状;黄色から赤色の丘疹が多発し、集まって苔癬化(苔のようにざらざらした状態)し、皮膚が厚く硬くなる。
関連疾患:骨髄腫(M蛋白血症)、原発性マクログロブリン血症、肝障害、糖尿病(特に糖尿病性腎症)など、他の病気(基礎疾患)に伴って発生することが多い。
全身症状:倦怠感、体重減少、関節痛などが見られる場合があり、重症化すると生命に関わることもある。
嚥下障害、関節痛・関節炎、肺高血圧症、神経障害(痙攣、脳症、精神病、昏睡など)
” Dermato-neuro syndrome”は致命的な合併症で、発熱・痙攣・昏睡の3徴が特徴
※「粘液水腫」との違い:粘液水腫は甲状腺機能低下症によるむくみ(ヒアルロン酸蓄積)で、圧痕が残りにくいのが特徴ですが、硬化性粘液水腫は真皮のムチン沈着による皮膚の肥厚と硬化が主体で、より広範囲に進行。
診断:皮膚生検(バイオプシー)で真皮のムチン沈着を確認し、基礎疾患(骨髄腫など)を検索する。
治療:基礎疾患の治療が中心となり、皮膚症状に対してはステロイド、免疫抑制剤、光線療法などが検討されるが、効果は限定的で難治性の場合も多い。
柏五味歯科内科リウマチクリニック
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