• 2025年12月14日

温熱性紅斑:真皮上部にヘモジデリンの沈着を伴う血管周囲のリンパ球浸潤。外部熱源に応じて非対称性に出現

24歳女性。特記すべき既往なし。

2か月前からすねに発疹が出現するようになったため皮膚科を受診した。

発疹は無症状で左脚で顕著だった。

初めてこの症状が出現したのは冬で、その時患者は左足に近い位置で電気ヒーターを使用していたとのことであった。

身体所見としては左脚において網状の色素沈着と萎縮性瘢痕を多数認めた。右脚にも認めたが、左>右だった。

紫斑や皮下結節や壊疽領域は認めなかった。

皮膚生検が施行され、真皮上部にヘモジデリンの沈着を伴う血管周囲のリンパ球浸潤が認められた。

「温熱性紅斑」と診断された。温熱性紅斑は長期間熱暴露によって生じる皮膚疾患。

身体のどこにでも生じる可能性があり、外部熱源の位置に応じて非対称に分布することがある。

紅斑という形や色素沈着網状紅斑という形で現われることもある。

血管炎と混合される可能性もある。

患者には、これ以上直接的な熱暴露を避けるようにアドバイスされた。

3週間後のフォローアップでは色素沈着過剰は減少したが、軽度の火傷によるものと思われる色素脱失の瘢痕は残ったままだった。

N Engl J Med 2022; 387:e33

DOI: 10.1056/NEJMicm2203401

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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