- 2026年10月19日
急性骨髄性白血病(AML)に対する完全経口治療の可能性|デシタビン・セダズリジン+ベネトクラクス併用療法:ASCERTAIN-V試験(NEJM 2026)
高齢者や強い抗がん剤治療が難しい急性骨髄性白血病の患者さんに対し、飲み薬だけで治療する新しい方法が研究されています。2026年のASCERTAIN-V試験では、デシタビン・セダズリジンとベネトクラクスを組み合わせた治療により、約47%の患者さんで完全寛解が得られました。完全寛解とは、検査上、白血病の活動が大きく抑えられた状態を意味します。ただし、治癒を意味するものではありません。この治療では重い貧血や感染症にも注意が必要であり、経口薬であっても専門医による継続的な管理が欠かせません。
1.急性骨髄性白血病(AML)とは?
急性骨髄性白血病(Acute Myeloid Leukemia:AML)は、骨髄で未熟な骨髄系細胞が腫瘍性に増殖する血液がんです。
骨髄では通常、赤血球・白血球・血小板が作られています。しかしAMLでは、異常な白血病細胞が増殖することで正常な造血が妨げられます。
その結果、次のような症状が出現することがあります。
- 貧血: 疲れやすさ、息切れ、動悸、顔色不良
- 好中球減少: 発熱、肺炎などの感染症
- 血小板減少: 皮下出血、鼻血、歯肉出血
- 全身症状: 倦怠感、食欲低下、体重減少
これらはAMLだけに特有の症状ではありません。診断には血算・白血球分画・末梢血塗抹検査に加え、骨髄検査、染色体検査、遺伝子解析などが重要です。
AMLは比較的高齢者に多く、年齢、全身状態、併存疾患、白血病細胞の遺伝子異常によって適切な治療方針が異なります。
2.高齢AML患者における従来治療の課題
全身状態が許容する患者さんでは、強力な寛解導入化学療法が治療選択肢となります。
一方、75歳以上の高齢者や、心不全・呼吸器疾患・腎機能障害などを持つ患者さんでは、強力な化学療法に伴う重篤な副作用の危険が高くなります。
そのような患者さんに対する代表的な低強度治療が、低メチル化薬(Hypomethylating Agent:HMA)とベネトクラクスの併用療法です。
低メチル化薬としては、アザシチジンやデシタビンが使用されます。
ベネトクラクスはBCL-2を阻害する経口薬であり、白血病細胞のアポトーシス(プログラムされた細胞死)を促進します。
しかし、従来のHMA併用療法では、アザシチジンやデシタビンを各治療サイクルで5~7日間、注射または点滴で投与する必要がありました。
治療が長期間継続される場合、患者さんやご家族にとって通院回数・移動時間・身体的負担が問題になります。
そこで注目されたのが、低メチル化薬も経口投与できる治療法です。
3.デシタビン・セダズリジンとは?経口化を可能にした薬理学的機序
デシタビン(Decitabine)は、DNAメチル化を調節する薬剤です。
DNAメチル化の異常は、AMLにおける遺伝子発現制御の異常に関与しています。
デシタビンはDNAに取り込まれ、DNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)の機能を阻害することで、腫瘍細胞の遺伝子発現や増殖に影響を及ぼします。
しかし、デシタビンを単独で経口投与すると、消化管や肝臓に存在するシチジンデアミナーゼ(CDA)によって分解され、十分な血中濃度を得にくいという問題があります。
そこで組み合わせるのが、セダズリジン(Cedazuridine)です。
セダズリジンはCDAを阻害し、経口デシタビンの分解を抑えることで、十分な全身曝露量を得られるようにします。
両剤を一定量で配合することで、静脈内投与のデシタビンに匹敵する薬物曝露を実現することが可能になります。
さらに経口ベネトクラクスを併用することにより、すべての抗白血病薬を経口投与するレジメンが成立します。
ただし、薬物曝露の同等性は、治療効果や安全性の同等性を直接証明するものではありません。
その臨床的な有効性と安全性を評価した研究がASCERTAIN-V試験です。

図1:急性骨髄性白血病(AML)に対する完全経口併用療法の薬理学的作用機序
デシタビンはDNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)を阻害し、DNAメチル化制御に介入する。セダズリジンはシチジンデアミナーゼ(CDA)を阻害することで経口デシタビンの分解を抑制し、全身曝露量を高める。一方、ベネトクラクスは抗アポトーシスタンパク質BCL-2を阻害し、白血病細胞のアポトーシスを促進する。両治療経路を模式的に示した図であり、臨床的相乗効果を直接証明するものではない。
4.ASCERTAIN-V試験の研究デザイン
2026年にNEJMに発表されたASCERTAIN-V試験は、強力な寛解導入化学療法が適さない新規診断AML患者を対象とした、第1~2相の多施設共同臨床試験です。
研究の特徴は以下の通りです。
| 項目 | 研究内容 |
|---|---|
| 試験名 | ASCERTAIN-V(ASTX727-07) |
| 研究デザイン | 第1~2相、非盲検、非ランダム化、単群介入試験 |
| 実施施設 | 米国・カナダ・スペインの34施設 |
| 対象 | 新規診断AML、75歳以上または強力な化学療法が不適 |
| 登録患者 | 合計189例 |
| Phase 1 | 30例 |
| Phase 2a | 58例 |
| Phase 2b | 101例 |
| 主要評価項目 | 薬物動態および完全寛解率 |
| 臨床試験登録 | NCT04657081 |
研究は段階的に実施されました。
Phase 1では主として薬物間相互作用や薬物動態を確認しました。
Phase 2aでは薬物動態と臨床的有効性を検討しました。
そして、中心的な有効性評価を担ったPhase 2bでは101例を対象に完全寛解率を主要評価項目として評価しました。
Phase 2b患者の年齢中央値は78歳で、TP53変異は17%、ELN 2017による不良染色体リスクは24%に認められました。
本試験にはアザシチジン+ベネトクラクスなどの同時対照群が存在しないため、従来治療との直接比較には注意が必要です。

図2:ASCERTAIN-V試験の構成
Phase 1、2a、2bの対象人数と主要評価項目を整理した研究デザイン図。登録189例をPhase 1(30例)、2a(58例)、2b(101例)に分類した非ランダム化試験の構成。群間で割付比較を実施した研究ではない。
5.実際の治療スケジュールと骨髄抑制への対策
基本レジメンは28日を1サイクルとして設計されました。
デシタビン・セダズリジン
- デシタビン35 mg+セダズリジン100 mg
- 各サイクルの第1~5日に経口投与
ベネトクラクス
- 初回は腫瘍崩壊症候群を防ぐため段階的に増量
- 第1日:100 mg
- 第2日:200 mg
- 第3日以降:原則400 mg/日
ただし、抗真菌薬併用時には薬物相互作用を考慮した用量調整が必要です。
この研究で重要なのは、投与を経口化しただけではなく、寛解後に骨髄抑制を軽減するため投与日数を短縮する戦略を取り入れたことです。
初期の試験段階では、長期の好中球減少などが問題となりました。
そこでPhase 2bでは、治療開始から約21日目に骨髄検査を行い、骨髄芽球が5%未満に減少した場合、血球回復までベネトクラクスを休薬する方法が推奨されました。
次サイクル以降は、回復に要する日数に応じてベネトクラクスを21日間、14日間、場合によっては7日間へと短縮しました。
デシタビン・セダズリジンについても、当初の5日間から3~4日間への短縮が許容されました。
必要に応じてG-CSFも使用し、好中球回復を支援しました。
この方法は、治療効果を確保しながら骨髄抑制を管理するうえで、重要な臨床的工夫と考えられます。
なお、ここで示した投与量・スケジュールは原著試験の方法であり、日本国内での承認用法や個々の患者さんへの処方を示すものではありません。
6.主要結果①|完全寛解率は47%、CR+CRi率は63%
Phase 2bの主要評価項目である完全寛解率(Complete Response:CR)は47%でした。
95%信頼区間は36~57%です。
また、完全寛解または血球回復が不十分な完全寛解(CR+CRi)は63%でした。
| 評価項目 | Phase 2b(101例) |
|---|---|
| 完全寛解(CR) | 47%(95% CI 36–57) |
| 血球回復不完全な完全寛解(CRi) | 17%(95% CI 10–26) |
| CR+CRi | 63%(95% CI 53–73) |
| 部分的血球回復を伴う完全寛解(CRh) | 5%(95% CI 2–11) |
| 完全寛解までの期間中央値 | 2.4か月 |
ここでいう完全寛解は、骨髄中の白血病細胞が十分に減少し、一定の血球回復を満たす状態です。
一方、CRiでは白血病細胞が十分に減少していても、好中球数または血小板数などの回復が不十分です。
つまり、CR+CRi率が63%であることは、63%の患者さんで白血病が治癒したことを意味しません。
Phase 2bでは、完全寛解率の95%信頼区間の下限が17.9%を上回ることが事前規定された有効性判定基準でした。
実際の下限は36%であり、この基準を満たしました。
ただし、この17.9%は過去の低メチル化薬単剤治療に由来する閾値であり、同時対照群との比較ではありません。

図3:完全寛解率とCR+CRi率 CR 47%(95% CI 36–57)、CR+CRi 63%(95% CI 53–73)を95%信頼区間付きで表示。Phase 2b全治療集団101例における奏効割合。CR+CRiはCRを内包する複合指標であり、独立した2群ではない。95% CIはClopper–Pearson法に基づく。
7.主要結果②|全生存期間中央値は15.5か月
全生存期間(Overall Survival:OS)は、治療開始から死亡までの期間を表す指標です。
本試験では以下の結果が報告されました。
| 試験段階 | OS中央値 |
|---|---|
| Phase 1(30例) | 6.8か月 |
| Phase 2a(58例) | 14.5か月 |
| Phase 2b(101例) | 15.5か月 |
Phase 2bのOS中央値は15.5か月で、95%信頼区間は7.6か月から上限推定不能でした。
ただし、Phase 2bの追跡期間中央値は11.2か月であり、生存期間の推定には未成熟な部分があります。
さらに重要なのは、Phase 1、2a、2bの患者群がランダムに割り付けられたものではないことです。
そのため、Phase 1の6.8か月からPhase 2bの15.5か月への変化を、投与スケジュール調整による生存期間の延長と断定することはできません。
研究者らは、寛解後の投与日数短縮と骨髄抑制の軽減が臨床転帰の改善に寄与した可能性を指摘しています。
これは臨床的に興味深い仮説ですが、検証には対照試験が必要です。

図4:ASCERTAIN-V試験における全生存期間(OS)中央値 Phase 1(30例)、Phase 2a(58例)、Phase 2b(101例)における全生存期間中央値と95%信頼区間を示す。OS中央値はそれぞれ6.8か月(95% CI:4.3–19.5)、14.5か月(8.1–18.2)、15.5か月(7.6–上限推定不能)であった。Phase 2bの追跡期間中央値は11.2か月である。本試験は非ランダム化試験であり、各Phase間の生存期間の違いを治療法や投与スケジュールの効果として直接比較することはできない。
8.微小残存病変(MRD)の陰性化と臨床的意義
AMLの治療では、通常の骨髄検査で完全寛解と判定されても、微量の白血病細胞が残存している可能性があります。
これを微小残存病変、あるいは測定可能残存病変(Measurable Residual Disease:MRD)と呼びます。
MRDはAMLの再発リスクを評価する重要な指標です。
ASCERTAIN-V試験のPhase 2bでは、CR、CRiまたはCRhが得られた64例のうち、49例でMRDが評価されました。
この49例のうち27例(55%)で、いずれかの評価時点においてMRD陰性が確認されました。
MRD陰性の定義は、多項目フローサイトメトリーによる10⁻⁴未満でした。
探索的解析では、MRD陰性となった奏効患者の1年生存割合は92%と報告されました。
ただし、MRD測定の方法や時点は標準化されておらず、評価された患者も選択された集団です。
そのため、MRD陰性化が生存期間を改善した因果関係まで示すものではありません。
9.安全性|完全経口治療でも重度の骨髄抑制は重要
経口治療というと、点滴治療より副作用が少ない印象を受けるかもしれません。
しかし、本試験では重度の骨髄抑制が高頻度で認められました。
Phase 2bにおける主なGrade 3以上の治療関連有害事象は以下の通りです。
| 有害事象 | 頻度 |
|---|---|
| 貧血 | 30% |
| 好中球減少 | 26% |
| 発熱性好中球減少症 | 25% |
| 血小板数減少 | 25% |
| 血小板減少症 | 20% |
Grade 3以上の治療関連有害事象全体は72%に認められました。
重篤な有害事象は84%、有害事象による治療中止は9%でした。
また、Phase 2bにおける死亡率は30日で3%、60日で10%でした。これは一定期間内の全死因死亡率であり、すべてが治療によって引き起こされた死亡を意味するわけではありません。
本治療においては、発熱性好中球減少症、重症感染症、出血などへの対応が極めて重要です。
経口薬のみで治療できることは、医学的管理を不要にすることではありません。
治療初期には入院管理を検討すべき場合もあり、継続的な血算測定、骨髄評価、感染予防、輸血などの支持療法が欠かせません。

図5:Grade 3以上の骨髄抑制 Phase 2b(101例)におけるGrade 3以上の主な治療関連有害事象。貧血30%、好中球減少26%、発熱性好中球減少症25%、血小板数減少25%、血小板減少症20%を横棒グラフで示す。同一患者に複数の事象が生じ得るため、各頻度の合計は100%にならない。
10.薬物間相互作用と抗真菌薬併用時の注意点
本研究では、デシタビン・セダズリジンとベネトクラクスの併用によって、臨床的に重要な薬物動態学的相互作用は確認されませんでした。
ただし、これは両薬剤間の薬物動態についての結果です。
ベネトクラクスはCYP3Aで代謝されるため、ポサコナゾールなどのアゾール系抗真菌薬との併用では血中濃度が上昇する可能性があります。
そのため、併用薬に応じてベネトクラクスの用量を適切に調整する必要があります。
Phase 2bでは82%の患者さんにアゾール系抗真菌薬による予防投与が行われました。
また、44%でG-CSFが使用されました。
完全経口療法の実施には、抗白血病薬そのものだけでなく、感染予防、支持療法、相互作用管理が重要です。
11.この研究の限界|従来治療より優れているとはまだ言えない
ASCERTAIN-V試験は、AMLの治療選択肢を拡大するうえで重要な研究ですが、解釈上の限界もあります。
11-1.非ランダム化・単群試験である
本研究には同時対照群がありません。
したがって、完全経口療法がアザシチジン+ベネトクラクスなどの標準治療と比較して、有効性や安全性の面で同等または優れているとは結論できません。
歴史的対照との比較には、患者背景、遺伝子変異、治療中断基準、支持療法などの違いが影響します。
11-2.生存期間の追跡が十分に成熟していない
Phase 2bの追跡期間中央値は11.2か月であり、長期生存期間、再発、治療継続性などについては追加検証が必要です。
11-3.生活の質や通院負担を直接評価していない
経口治療による通院負担の軽減は合理的に期待されます。
しかし、本試験では患者報告による生活の質(QOL)や医療資源の利用について、直接的な評価は行われていません。
そのため、経口化によってQOLが改善したと断定することはできません。
11-4.投与スケジュール短縮の効果は探索的である
Phase 2bでは、骨髄芽球の消失後に投与日数を調整する戦略が導入されました。
しかし、短縮群と非短縮群をランダム化比較した試験ではありません。
骨髄抑制の管理上有用と考えられる一方、最適な投与期間や生存転帰への独立した効果は未確定です。
12.2026年の臨床的意義|AML治療は「すべて飲み薬」の時代へ進むのか?
本研究の意義は、単に新しい薬剤の組み合わせを試したことだけではありません。
すでに確立されている低メチル化薬とBCL-2阻害薬という治療戦略を、すべて経口薬で実施できる可能性を示した点にあります。
高齢AML患者さんでは、抗白血病効果とともに、通院負担、日常生活、介護者の負担なども治療選択に影響します。
完全経口化は、これらの課題を改善する可能性があります。
一方で、経口化によって骨髄抑制や感染症の危険がなくなるわけではありません。
また、AMLは遺伝子異常によって病態や治療反応性が異なり、FLT3阻害薬、IDH阻害薬などの分子標的治療が検討される場合もあります。
完全経口化という利点だけで、患者さんごとの最適治療を一律に決めることはできません。
本試験が示したのは、強力な化学療法が難しいAML患者さんに対して完全経口療法が有望な治療選択肢となり得ることです。すべてのAML患者さんで従来治療を置き換えられると証明した研究ではありません。
2026年5月、米国FDAが完全経口併用療法を承認
ASCERTAIN-V試験の結果を受けて、米国食品医薬品局(FDA)は2026年5月13日、75歳以上、または併存疾患によって強力な寛解導入化学療法が適さない新規診断AML成人患者に対し、デシタビン・セダズリジン(INQOVI)とベネトクラクスの併用療法を承認しました。
これは完全経口治療が、臨床研究の段階から実際の治療選択肢へ進んだことを意味します。
ただし、米国での承認は日本国内での承認を意味しません。国内での使用に際しては、最新の承認状況・添付文書・診療ガイドラインを確認する必要があります。
米国FDA公式発表:FDA Approves Oral Combination of Decitabine and Cedazuridine with Venetoclax for Newly Diagnosed AML
13.貧血・発熱・出血傾向が続く場合は早期の評価が重要
急性骨髄性白血病では、貧血、発熱、出血傾向などが最初の症状となることがあります。
しかし、これらの症状はAML以外の多くの病気でも出現します。
原因の分からない貧血、白血球・血小板の異常、長引く発熱、強い倦怠感などがある場合には、血液検査による評価が重要です。
柏五味歯科内科リウマチクリニックでは、総合内科の立場から、血算異常や原因不明の全身症状について初期評価を行っています。
急性白血病などの血液疾患が疑われる場合には、速やかに血液内科のある専門医療機関へ紹介し、精密検査・専門治療につなげることが重要です。
なお、本記事で紹介したAMLに対する経口抗白血病療法は、血液内科専門施設での管理を前提とした治療であり、当院での治療提供を意味するものではありません。
14.まとめ
ASCERTAIN-V試験は、強力な化学療法が適さない新規診断AML患者に対する、デシタビン・セダズリジン+ベネトクラクスの完全経口療法を検討した第1~2相試験です。
主要な結果として、Phase 2bの完全寛解率は47%、CR+CRi率は63%、全生存期間中央値は15.5か月でした。
両剤間に臨床的に重要な薬物動態学的相互作用は認められませんでしたが、重度の貧血、好中球減少、発熱性好中球減少症などは重要な有害事象でした。
また、骨髄芽球の消失後に治療スケジュールを調整する戦略は、骨髄抑制を管理するうえで重要な示唆を与えました。
今後の課題は、標準的な注射・点滴併用療法との直接比較、長期生存・再発に関する評価、そして患者さんの生活の質や通院負担がどの程度改善するかを明らかにすることです。
完全経口療法はAML治療の利便性を高める可能性がありますが、その臨床的価値は有効性・安全性・患者負担を総合して判断する必要があります。
参考文献
原著論文
Roboz GJ, Zeidan AM, Mannis GN, et al. All-Oral Treatment of Newly Diagnosed Acute Myeloid Leukemia. N Engl J Med. 2026;394:2107–2116.
DOI: https://doi.org/10.1056/NEJMoa2510223
臨床試験登録:ASCERTAIN-V(NCT04657081)
関連する主要文献
DiNardo CD, Jonas BA, Pullarkat V, et al. Azacitidine and Venetoclax in Previously Untreated Acute Myeloid Leukemia. N Engl J Med. 2020;383:617–629.
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【本記事の執筆・医学監修】
■ 福田 匡志(ふくた まさし)
成田赤十字病院 リウマチ膠原病内科部長 / 柏五味歯科内科リウマチクリニック 医師
日本内科学会認定 総合内科専門医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医
👉 福田匡志医師の詳しい経歴・専門資格はこちら
【クリニック共同監修体制】
■ 春原 優子(はるはら ゆうこ)(総合内科専門医・消化器病専門医)
■ 福田 涼子(ふくた りょうこ)(日本歯内療法学会専門医)
全国の患者様やご家族に向けて、関節リウマチ・膠原病・総合内科・消化器・歯科の各専門医が連携し、最新の医学的エビデンスに基づいた正確な医療情報を分かりやすく解説・発信しています。
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