- 2026年5月21日
突然死を防ぐ!ブルガダ(Brugada)症候群の心電図診断とICD治療:失神と「ぽっくり病」の真実【柏・我孫子の総合内科専門医解説】
ブルガダ(Brugada)症候群は、1992年に報告された比較的新しい概念の疾患で、心臓の構造や機能自体は正常であるにもかかわらず、致死的不整脈である「心室細動(VF)」を引き起こし、突然死を招く恐れのある病気です。かつて日本で「ぽっくり病」と呼ばれていたものの一部は、この症候群であったと考えられています。
本症候群の最大の特徴は、30〜50代の働き盛りの男性に多く発症すること(男女比10:1)です。心電図上では、右側胸部誘導(V1〜V2)においてST上昇を認め、特に「弓型」に盛り上がるコーブド(coved)型の波形は、よりリスクが高いとされています。原因の一つとして、約20%の患者さんに心臓のナトリウムチャネルの遺伝子異常が認められますが、日本では家族歴のない孤発例も少なくありません。
診断における重要な手がかりは、失神(一過性の意識消失)の既往と若年突然死の家族歴です。臨床現場で特に重要なのは、失神の原因が「てんかん」なのか「心原性(不整脈)」なのかを見極めることです。心原性失神は「突然倒れて1分程度で速やかに回復する」のが典型的ですが、てんかんの場合は「意識もうろうとした状態が15分程度続く」といった違いがあり、本人や目撃者への丁寧な問診が不可欠です。
将来の心室細動の発生リスクを予測することは容易ではありませんが、自然発生のコーブド型心電図や早期再分極の存在などが予後指標として報告されています。精密検査としては、加算平均心電図、遺伝子検査、薬剤負荷試験(サンリズム等の注射)、そして入院して行う「心臓電気生理検査(EPS)」による不整脈の誘発確認などが行われます。
突然死を予防するための唯一かつ確実な治療法は、「植込み型除細動器(ICD)」の植込みです。一度でも心停止や心室細動を起こした場合は必須(クラスI適応)となり、失神歴や家族歴がある場合も予防的植込みが推奨されます。日常生活では、発作が起きやすい夜間や早朝、あるいは飲酒後や満腹時、発熱時に対する注意(早めの解熱)や、抗うつ薬など悪化させる可能性のある薬剤の回避が求められます。
柏・我孫子エリアで健康診断の心電図で「ブルガダ型」を指摘された方や、身近に突然死された方がいて不安な方は、微細な波形変化と全身の病態を統合して評価できる専門医への相談が推奨されます。














最後に、柏五味歯科内科リウマチクリニックでは、最新のエビデンスに基づき、心電図の波形という「点」だけでなく、患者様のこれまでの歩みやご家族の背景といった「線」で捉える診療を行っています。
ブルガダ症候群のように、普段は全く健康に見えるからこそ見逃されやすい「命のサイン」に対し、「なぜこの検査が必要なのか」「何に気をつけるべきか」という体の仕組みを丁寧に解説し、患者様と共に将来のリスクへ備えることを大切にしています。
柏市・我孫子市周辺で、心電図の異常を指摘された方や、原因のわからない失神・ふらつきにお悩みの方は、かかりつけ医の先生へご相談ください。当院でも大切な命を守るパートナーとして、精一杯サポートさせていただきます。
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