- 2026年7月6日
【柏市・総合内科】全員が「毎年マンモグラフィー」はもう古い?乳がんの最新「リスク別検診」と遺伝子が教えるWISDOM試験の結果を解説
一律の検診から「あなた専用の検診」への移行?進行がんを見逃さず、無駄な検査を減らす戦略
「毎年必ずマンモグラフィを受けているのに、見つかった時には進行していた」「異常なしと言われた直後にしこりが見つかった」――乳がん検診において、このような「見逃し」や、逆に不必要な精密検査(生検)を受けて不安な思いをするケースは少なくありません。 今回、『JAMA』にて、これまでの「年齢だけで一律に毎年検診を受ける」という常識を覆す、アメリカの大規模な臨床試験(WISDOM試験)の結果が発表されました。これは、患者様お一人おひとりの遺伝子や体質に合わせて検診の頻度を変える「リスクベース・スクリーニング」の安全性を世界で初めて証明した画期的な報告です。今回はこの最新データに基づき、乳がんの発症リスクを左右する「体の仕組み」と、個別化医療(プレシジョン・メディシン)がもたらす未来の乳がん検診について総合内科専門医が解説します。
1. 従来の「一律の検診」が抱えるジレンマ
現在の乳がん検診は、主に年齢に基づいて「1〜2年に1回」という一律の基準で行われています。しかし、乳がんは単一の病気ではなく、発症リスクは人によって全く異なります。 一律の検診では、実はリスクが低い人に対して「過剰な被ばくや不必要な組織検査(生検)」を引き起こす一方で、本当にリスクが高い人にとっては「1年に1回の検診では進行の早いがんを見逃してしまう(中間期がん)」という大きな欠点が指摘されていました。
2. 遺伝子が教える「体の仕組み」とWISDOM試験
WISDOM試験では、約28,000人の女性を対象に、「従来の年1回検診グループ」と、「遺伝子検査(複数の遺伝子変異や多遺伝子リスクスコア)や乳腺の密度などからリスクを4段階に分け、それに合わせた頻度で検診を行うグループ(リスクベース群)」に分けて比較を行いました。リスクベース群では、リスクが最も高い人は「半年に1回、MRIとマンモグラフィを交互に実施」、リスクが低い若い方は「当面は検診を控える」といった、個々の体の仕組みに応じたメリハリのある検診スケジュールが組まれました。
3. 進行がんを見逃さず、検診を最適化できることを証明
5年間の追跡調査の結果、リスクベース群は年1回の検診群と比較して、命を脅かすような「進行がん(ステージIIB以上)」の発生率が全く遜色ない(劣らない)ことが証明されました。特に、半年に1回の徹底した検診を受けた「最高リスク群」からは、進行がんが1例も発生しませんでした。 また、全体的な生検(バイオプシー)の回数自体は劇的には減りませんでしたが、マンモグラフィの実施回数は減少し、「必要な人に必要な検査を集中させる」ことの安全性が明確に示されました。
4. 自分のリスクを知り、適切に備える時代へ
この研究は、未来の乳がん検診が「全員同じ服を着る」時代から、「一人ひとりのサイズ(リスク)に合わせた服を仕立てる」時代へとシフトしていく可能性があることを示唆しています。 日本ではまだこのような包括的な遺伝子リスク評価を伴う検診は一般的ではありませんが、ご自身の家族歴や、健康診断で指摘される「高濃度乳房(デンスブレスト)」といった体の仕組みのサインを知っておくことは極めて重要です。
柏五味歯科内科リウマチクリニックでは、総合内科専門医の視点から、遺伝的な背景や生活習慣がいかにして全身の病気(がんや自己免疫疾患など)に関わっているのかという**「体の仕組み」を丁寧に紐解きながら**、患者様お一人おひとりに最適な健康管理をご提案します。当院では直接の乳がん検診(マンモグラフィ等)は実施しておりませんが、がんの手術や治療後の全身管理(骨粗鬆症や感染症予防、生活習慣病のコントロール)や、医科歯科連携を通じたお口のケアなど、トータルでの健康維持を強力にサポートいたします。健康への不安があれば、柏・我孫子エリアのかかりつけ医である当院へお気軽にご相談ください。
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Laura J. Esserman, Allison S. Fiscalini, Arash Naeim, et al. “Risk-Based vs Annual Breast Cancer Screening: The WISDOM Randomized Clinical Trial.” JAMA. 2026;335(9):763-774.
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