• 2026年5月5日

男性関節リウマチ患者のパートナー妊娠時における抗リウマチ薬の安全性:メトトレキサート(MTX)曝露の影響と医学的根拠

関節リウマチ(RA)治療中の男性患者がパートナーの妊娠を希望する場合、服用中の抗リウマチ薬(DMARDs)が胎児に及ぼす影響、特に催奇形性のリスクが懸念されます。しかし、現時点での知見では、男性側の薬剤内服が児の先天大奇形(Major Congenital Malformation)のリスクを上昇させるという明確なエビデンスは認められていません。

薬剤が胎児に影響を及ぼす経路としては、精子形成プロセスへの直接作用と、精液中に分泌された薬剤がパートナーの膣粘膜から吸収される経路の2パターンが想定されます。理論的には、薬剤の影響を強く受けた精子は受精能を喪失するか、仮に受精しても着床に至らない可能性が高いと考えられています。この生物学的なメカニズムが、臨床的に確認可能な妊娠において大奇形リスクが上昇しない一因と推測されています。

特にアンカードラッグであるメトトレキサート(MTX)に関する大規模なメタ解析では、受胎時に父親がMTXを使用していた群(113例)と、催奇形性物質への曝露がない群(412例)を比較した結果、先天大奇形発生のオッズ比(OR)は1.02(95%CI: 0.16–6.57)であり、統計学的な有意差は認められませんでした。また、別の曝露群と非曝露群の比較においても、OR=0.94(95%CI: 0.38–2.33)とリスクの上昇は示されていません。

以上の医学的根拠に基づき、男性RA患者の抗リウマチ薬使用については、パートナーの妊娠に際して特段の配慮や休薬は不要であるとする見解が一般的です。通常、精液中には薬剤の影響がなくとも約20%の奇形精子が含まれていますが、薬剤曝露によってそのリスクが有意に加算されることはないと報告されています。ただし、個々の症例における家族計画や疾患活動性のコントロール状況を鑑み、リウマチ専門医との綿密な連携のもとで最適な治療計画を立てることが推奨されます。

最後に、柏五味歯科内科リウマチクリニックでは、最新のエビデンスに基づき、症状の背景にある「体の仕組み」まで丁寧に説明しながら、内科・リウマチ・膠原病診療を行っています。

男性リウマチ患者様の「妊活」に関しても、「なぜ男性側の内服が児の健康に影響しにくいのか」という医学的根拠を正しくお伝えし、将来のご家族の健康を守りつつ、安心してリウマチ治療を継続できる環境作りを大切にしています。

柏市・我孫子市周辺で、これから新しい家族を迎えようと考えている男性患者様やそのご家族は、どうぞお気軽に当院の専門外来へご相談ください。

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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