- 2026年5月5日
妊娠希望・生殖可能年齢の女性における関節リウマチ治療戦略:催奇形性の回避と病勢コントロールの両立
生殖可能年齢の女性関節リウマチ(RA)患者における治療の要諦は、妊娠前の病勢コントロール(疾患活動性の抑制)と、催奇形性や胎児毒性を回避する薬剤選択の両立にあります。RAの活動性が高い状態での妊娠は、子宮内発育不全や妊娠合併症のリスクを増大させ、母体の病態管理も困難にするため、まずは寛解、あるいは低疾患活動性を目指した治療を先行させることが原則です。
薬剤選択において、メトトレキサート(MTX)、D-ペニシラミン、レフルノミド、イグラチモド、ミゾリビン、およびJAK阻害薬(トファシチニブ、バリシチニブ、ウパダシチニブ)は、催奇形性や胎児毒性のリスクから妊娠中および妊娠希望時は禁忌とされています。特にMTX曝露群の催奇形性発生率は6.6%(健常対照群2.9%)と、明らかなリスク上昇がエビデンスとして認められています。
一方で、妊娠中も継続可能な従来型合成抗リウマチ薬(csDMARDs)には、サラゾスルフピリジン(SASP)、タクロリムス(Tac)、プレドニゾロン(PSL)が挙げられます。生物学的製剤(bDMARDs)では、が有力な選択肢です。中でもエタネルセプト(ETN)やセルトリズマブ ペゴル(CZP)は胎児移行性が極めて低い、あるいは無いことが確認されています。アダリムマブ(ADA)やインフリキシマブ(IFX)も第一三半期を含め使用可能ですが、妊娠末期まで継続した場合は新生児の血中に薬剤が残留する可能性があるため、出生後6ヶ月間はBCGやロタウイルスなどの生ワクチン接種を控える注意が必要です。
JAK阻害薬については、限定的な報告ではリスク上昇は示唆されていませんが、安全性を判断するためのヒトでのデータが不足しており、動物試験における安全域の狭さから現時点では回避すべきと判断されています。胎児の健やかな成長と母体の健康を両立させるためには、リウマチ専門医と産婦人科医による綿密な連携と、最新のエビデンスに基づく管理が不可欠です。







最後に、柏五味歯科内科リウマチクリニックでは、最新のエビデンスに基づき、症状の背景にある「体の仕組み」まで丁寧に説明しながら、内科・リウマチ・膠原病診療を行っています。
妊娠を希望される女性のリウマチ患者様においても、「なぜ妊娠前に病勢を抑える必要があるのか」、そして「どの薬が赤ちゃんにとって安全なのか」を専門的な視点から分かりやすく解説し、産婦人科と密に連携しながら、安心して出産・育児に向き合える環境作りを大切にしています。
柏市・我孫子市周辺で、将来の妊娠・出産を見据えたリウマチ治療について不安をお持ちの方は、どうぞお気軽に当院の専門外来へご相談ください。
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