- 2026年3月9日
抗リン脂質抗体症候群(APS)ACR/EULAR2023による新APS分類基準
抗リン脂質抗体症候群(APS)ACR/EULAR2023による新しいAPS分類基準の詳細です。従来の2006年改訂札幌基準に代わるこの新基準は、臨床研究や治験の精度を高めるため、極めて高い特異度(99%)を確保するように設計されています。
新基準は、エントリー基準と加重スコア方式を採用しています。まず、エントリー基準として、臨床症状(ドメイン1〜6)のいずれかと、抗リン脂質抗体(aPL)検査(ループスアンチコアグラント、抗カルジオリピン抗体、抗β2GP I抗体)の陽性が、3年以内に確認される必要があります。その上で、8つのドメイン(臨床6、検査2)において、各項目に1〜7点の重み付けがなされます。最終的に、臨床ドメインで3点以上、かつ検査ドメインで3点以上を獲得した場合にAPSと分類されます。
大きな特徴は、大血管血栓症が従来の心血管リスク因子の有無で階層化(リスク層別化)されたことや、微小血管症、心臓弁膜症、血小板減少症といった広範な症状が独立したドメインとして明確に定義された点です。また、検査面ではIgGとIgMのアイソタイプが分離評価され、ELISA法による標準化が重視されています。この厳格なシステムにより、将来的なAPSの診断・治療ガイドラインの発展や、病態解明に向けた質の高い研究基盤が構築されることが期待されます。















Annals of the Rheumatic Diseases 2023;82
柏五味歯科内科リウマチクリニック
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