• 2026年3月21日

アスベスト肺による収縮性心膜炎:両心カテーテル検査にて心室の相互依存性と圧力とレースの不一致を認めた症例

69歳女性。

3年にわたる労作時呼吸困難が悪化したため救急外来を受診した。

断熱材製造会社での勤務中に発生したアスベスト暴露に起因すると考えられる限局性胸膜プラークの病歴があった。

身体所見では体液貯留徴候を認めた。

胸部X-pでは心膜の周囲の石灰化、胸水貯留、肺間質浮腫が示唆され、胸部CTでは広範な心膜石灰化が明らかになった。

心エコーではEFは保たれていたが、拡張期初期の中隔バウンスと呼気拡張期の反転が示唆された。

その後両心カテーテル検査が施行された。心室の相互依存性と圧力とレースの不一致が示された。

吸気中、右心室の圧が最も高くなる時、左心室の圧力が最も低くなっていた。

また拡張期初期の早急な心室充満を表す「平方根徴候(ディップ&プラトーパターンとも呼ばれる))」が見られた(赤線)。

アスベスト肺による収縮性心膜炎と診断された。

心膜切除術が施行され、症状は改善。心膜組織の分析では結核は陰性だった。

2年間のフォローで良好な全身状態を維持している。

N Engl J Med 2023; 389:2087

DOI: 10.1056/NEJMicm2301671

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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