• 2026年3月26日

乾癬性関節炎(PsA:関節症性乾癬)の解説

乾癬性関節炎(PsA:関節症性乾癬)は関節の変形や破壊を招き、生活の質(QOL)を著しく損なう疾患です。

本疾患の最大の特徴は、関節リウマチ(RA)が滑膜炎を主眼とするのに対し、腱や靭帯が骨に付着する部位の炎症である「付着部炎」を病態の本態とする点にあります。臨床症状は非常に多彩で、手指の第1関節(DIP関節)の痛みや、指全体がソーセージのように腫れる「指趾炎」、さらに「爪乾癬」が高頻度(最大9割)に認められるのが特徴的です。

診断には、世界的な分類基準である「CASPAR基準」が広く用いられています。これは、皮膚や爪の乾癬症状、リウマトイド因子(RF)が陰性であること、指趾炎の既往、X線画像での関節近傍の骨新生所見などをスコア化して判定するものです。

治療の目標は、炎症を抑えて関節破壊を阻止し、身体機能を維持することにあります。そのため、具体的な到達目標を定めて治療を行う「T2T(目標達成に向けた治療)」という戦略が重要視されています。薬物療法では、メトトレキサート(MTX)TNF阻害薬IL-17阻害薬IL-23阻害薬といった強力な生物学的製剤や、経口薬のPDE4阻害薬(アプレミラスト)、JAK阻害薬など選択肢が飛躍的に増えています。

また、PsAはメタボリック症候群や心血管疾患、ぶどう膜炎などの併存症も多いため、禁煙や肥満の解消といった生活習慣の改善(患者教育)も治療を成功させるための不可欠な要素となります。皮膚科医とリウマチ専門医が連携し、早期から適切な治療を開始することが予後の改善に直結します。

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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