- 2026年5月12日
若年性特発性関節炎(JIA)の成人移行期:「大人のリウマチ基準」だけでは不十分な理由:柏・我孫子のリウマチ専門医が解説
― JADAS27による“本当に正確な評価”が重要です ―
若年性特発性関節炎(JIA)は、子どもの時期に発症する慢性の関節炎です。
症状が落ち着いているように見えても、成人後まで治療や経過観察が必要になることがあります。
そのため、小児科から成人リウマチ科へ移行する「成人移行期(トランジション)」では、
- 今どの程度炎症があるのか
- 病気が本当に安定しているのか
- 治療を減らしてよい状態なのか
を“正確に評価すること”が極めて重要になります。
しかし実は、成人の関節リウマチ(RA)で一般的に使われる「DAS28」という評価法だけでは、JIAを正しく評価できないことがあるのです。
■JIAと関節リウマチ(RA)は「似ているようで違う病気」
成人の関節リウマチでは、
- 手指
- 手首
- 肘
- 膝
などの関節炎が中心となることが多く、DAS28はこれらを評価対象にしています。
一方でJIAでは、
- 頸椎(首)
- 股関節
- 足関節
- 顎関節
など、“DAS28では十分に評価されない部位”に炎症が出ることがあります。
つまり、
「DAS28では良く見えるのに、実際には炎症が残っている」
というケースが起こりうるのです。

■JADAS27とは?
JADAS27(Juvenile Arthritis Disease Activity Score)は、JIAのために作られた病勢評価指標です。
以下のような要素を総合的に評価します。
- 関節の腫れ・痛み
- 医師による全体評価
- 患者さん・ご家族の評価
- 炎症反応(血液検査)
つまり、
「検査だけ」でも
「痛みだけ」でもなく、
“JIA全体を総合的に見る”評価法
なのです。
■大規模研究でも「JADAS27の方が正確」
研究では、JADAS27は、
- 日常生活機能
- 実際の病状
- 将来的な関節障害リスク
などとの関連性が高いことが示されています。
特に重要なのは、
「本当に寛解しているか」
を判断する精度です。
JADAS27は、DAS28よりも「見えない炎症」を拾いやすく、
- 治療を早く減らしすぎる
- 炎症を見逃してしまう
といったリスクを減らすことにつながります。

■成人移行期で特に重要な理由
JIAの患者さんは、
- 成長
- 進学
- 就職
- 妊娠・出産
など、人生の大きな転換期を迎えます。
この時期に病気が不安定になると、
- 学業
- 仕事
- 日常生活
- 将来的な関節機能
へ大きな影響が出る可能性があります。
だからこそ、
「症状が少ない=完全に大丈夫」
とは限らず、“病気を正確に見ること”がとても重要なのです。

■日本でもJADAS27が重視されています
実は日本の指定難病制度でも、JADAS27は重要な評価指標として採用されています。
これは、
- 正確な重症度評価
- 適切な治療継続
- 医療費助成の判断
において、JADAS27が信頼されていることを意味します。
つまり、
「成人だからDAS28だけで見る」
のではなく、
「JIAとして適切に評価する」
ことが、これからの成人移行医療では非常に大切なのです。
■柏・我孫子でJIAの成人移行についてお悩みの方へ
若年性特発性関節炎(JIA)は、「子どもの病気」で終わるとは限りません。
成人後も、
- 定期的な評価
- 適切な薬剤調整
- 将来を見据えた管理
が重要になることがあります。
特に成人移行期では、
- 小児期からの経過を理解していること
- JIA特有の病態を理解していること
- DAS28だけに頼らないこと
が非常に重要です。
■最後に
柏五味歯科内科リウマチクリニックでは、最新のエビデンスに基づき、
- 「なぜその症状が起こるのか」
- 「なぜその評価が必要なのか」
- 「なぜ治療を続ける必要があるのか」
という“体の仕組み”まで丁寧に説明しながら診療を行っています。
JIAの成人移行期においても、
- 正確な病勢評価
- 将来を見据えた治療
- 小児期からの経過を尊重した継続診療
を大切にしています。
柏市・我孫子市周辺で、
- 小児科から成人科への移行
- JIAの長期管理
- 将来の治療方針
について不安がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
今回の内容を医学的に詳しく知りたい方は下記へどうぞ
若年性特発性関節炎(JIA)の予後についての記事は下記へどうぞ
若年性特発性関節炎(JIA)の「ぶどう膜炎」のリスクに関する記事に関しては下記へどうぞ
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