• 2026年4月1日

機能性ディスペプシア(FD)の最新知見:病態メカニズムから治療アルゴリズムまで

機能性ディスペプシア(FD)は好酸球肥満細胞の活性化といった異常な免疫応答が病態に関与しているとも言われています。また、過敏性腸症候群(IBS)や逆流性食道炎(GERD)との重複も多く認められ、併発例では症状がより深刻になる傾向があります。

診断において重要なのは胃がんや潰瘍などの器質的疾患の除外であり、ヘリコバクター・ピロリ菌の検査と除菌が第一に推奨されます。現在、FDを適応とする特定の承認薬は存在しませんが、治療は症状に応じた経験的アプローチが中心となります。第一選択としては、PPIなどの酸抑制薬や、痛みの伝達を抑える低用量の三環系抗うつ薬(アミトリプチリン等)がエビデンスに基づき有効とされています。難治性の吐き気や体重減少を伴う場合にはミルタザピン、心理的要因が強い場合には認知行動療法や催眠療法などの心理的サポートが併用されます。最新の議論では、本疾患を「機能性」という曖昧な呼称ではなく、病態をより正確に反映した胃十二指腸神経筋肉疾患として捉え直すべきとの提言もなされており、今後の個別化医療の進展が期待されています。

N Engl J Med. 2026;394(2):166-176. doi:10.1056/NEJMcp2501860

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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