- 2026年4月2日
尿路結石の再発予防における行動変容介入の効果:PUSHランダム化比較試験の結果
尿路結石の再発防止において、1日2.5L以上の尿量を維持するための「水分摂取」が標準的な推奨事項です。しかし患者がこれを長期間継続することは極めて困難です。最新のテクノロジーと行動科学を用いた介入が結石の再発率を実際に低下させるかを検証した、過去最大規模のランダム化比較試験「PUSH試験」の結果が詳述されています。
米国の6つの医療センターで1,658名の参加者を対象に、Bluetooth対応のスマート水筒、目標達成に応じた金銭的報酬(インセンティブ)、および摂取の障壁を克服するための個別指導(ヘルスコーチング)を組み合わせた「多角的な行動変容プログラム」の有効性が、標準的な医学的指導を行う対照群と比較されました。
2年間にわたる追跡調査の結果、症状を伴う結石の再発率は介入群で19%、対照群で20%であり、統計的な有意差は認められませんでした。介入群では対照群と比較して、24時間尿量が有意に増加したものの、その増加幅は控えめであり、臨床的なアウトカムである「再発の抑制」には直結しませんでした。また、介入群では尿量の増加に関連して、頻尿や夜間尿などの泌尿器症状が初期に多く報告されており、これが継続的な水分摂取を妨げる一因となった可能性も示唆されています。
この研究結果は、尿路結石の二次予防において、単にデバイスや報酬を用いて水分摂取を促すだけでは再発抑制に限界があることを示しています。今後は、個々の患者のライフスタイルや意欲に合わせたより個別化されたアプローチや、水分摂取以外の食事療法・薬物療法を組み合わせた、より包括的な予防戦略の構築が求められています。















Lancet. 2026;407(10531):1171-1181. doi:10.1016/S0140-6736(25)02503-6
柏五味歯科内科リウマチクリニック
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