- 2026年4月5日
妊娠中の子宮頸がんに対する集学的治療:母体予後と胎児保護の両立に向けた戦略
妊娠中に診断される子宮頸がんは、母体の根治的治療と胎児の生命維持という、極めて複雑な倫理的・医学的判断を要する疾患です。本ソースでは、妊娠10週でFIGO 2021分類ステージIB2の扁平上皮癌と診断された39歳女性の症例を通じ、最新の集学的治療アプローチを詳述します。
正確な病期診断のため、胎児への放射線曝露を最小限に抑える拡散強調磁気共鳴画像法(MRI)と、インドシアニングリーン(ICG)を用いたロボット支援下センチネルリンパ節生検(SLN)が活用されました。SLN生検は胎児への安全性が示唆されており、リンパ節転移の有無を確認することで、妊娠継続の可否を判断する重要な指標となりました。
治療戦略として、妊娠中期(17週)からパクリタキセルとカルボプラチンによる術前補助化学療法(NAC)血小板減少症や貧血、胎児の子宮内発育不全(IUGR)といった合併症が認められました。これらの経過を踏まえ、当初の37週での出産予定を切り上げ、34週での帝王切開が実施されました。その後、母体の血液機能の回復を待って、産後6週に広汎子宮全摘術(Wertheim-Meigs術)が完遂されました。
2年後のフォローアップにおいて母子ともに健康であることが報告されており、この成功は産科、腫瘍内科、新生児科、外科による緊密な多職種連携(MDT)と、高度に個別化された治療計画の重要性を裏付けています。妊娠中の不正出血、特に子宮頸部病変の既往がある場合は、進行がんの可能性を念頭に置いた迅速な専門施設への紹介が推奨されます。
膠原病領域も妊娠を希望する罹患女性が多数いますので、どのようなアプローチが最も適切か判断していくことになります。















Lancet. 2026;407(10529):1205-1208. doi:10.1016/S0140-6736(26)00190-X
柏五味歯科内科リウマチクリニック
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