• 2026年5月2日

悪性腫瘍(がん)既往・併発がある関節リウマチの治療戦略:TNF阻害薬やメトトレキサート(MTX)は使用できる?【柏・我孫子のリウマチ専門医解説】

関節リウマチ(RA)は免疫を抑えるため、がんの再発リスクを高めないかは大きな懸念事項です。

結論から申し上げますと、最新の医学的エビデンス(メタアナリシス)に基づくと、TNF阻害薬の投与は、従来の抗リウマチ薬(csDMARDs)と比較して、がんの再発リスクを上昇させないことが示されています(13,598名の患者解析:RR=0.95)。また、日本人女性に多い乳がんの既往があるRA患者様を対象とした大規模な調査でも、MTXの投与によって再発率が有意に上がるという結果は認められませんでした。

一方で、一部の論文では、非メラノーマ皮膚がんの既往がある患者様において、MTXの使用により再発リスクが高まったとする真逆の結果も報告されています。こうした背景を踏まえ、現在のリウマチ診療における専門医の一般的な見解は、「固形がんの治療後、十分な期間が経過して治癒したと考えられる症例であれば、TNF阻害薬(生物学的製剤)やMTXの使用は可能である」という方針が主流となっています。

ただし、IL-6阻害薬やJAK阻害薬など、他の新しい薬剤についてはまだ世界的にデータが乏しいのが現状です。当院では、がんの主治医とも緊密に連携を取りながら、患者様の「現在のリウマチの勢い」と「がんの既往状況」を慎重に天秤にかけ、エビデンスに基づいた最も安全で効果的な治療選択をサポートしています。

最後に、柏五味歯科内科リウマチクリニックでは、最新のエビデンスに基づき、症状の背景にある「体の仕組み」まで丁寧に説明しながら、内科・リウマチ・膠原病診療を行っています。

悪性腫瘍の既往がある関節リウマチ患者様においても、「なぜ最新のデータに基づいて特定の薬剤が選択可能なのか」、そして「どのような条件であれば安全に治療を継続できるのか」を専門的な視点から分かりやすくお伝えし、がんの再発を警戒しながらも、痛みのない自分らしい生活を送れる環境作りを大切にしています。

柏市・我孫子市周辺で、がんの治療歴があり、リウマチ治療の安全性に不安をお持ちの方は、将来の健康を守るために、どうぞお気軽に当院の専門外来へご相談ください。

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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