- 2026年5月19日
失神の原因を見逃さない!房室ブロックの心電図診断とペースメーカー適応の判断基準を抑える【柏・我孫子の総合内科専門医解説】
「急に目の前が暗くなった」「一瞬意識を失って倒れた」といった失神の症状の裏には、心臓の電気信号が途絶える**房室ブロック(AVブロック)**という重大な不整脈が隠れていることがあります。医師から見た日常診療で遭遇する房室ブロックの分類と、ペースメーカー(PM)適応を判断するための専門的な視点を解説します。
1. 2:1房室ブロック:Mobitz Ⅱ型かWenckebach型かのジレンマ 心電図上でP波が2回出るごとにQRS波が1回出る状態を「2:1房室ブロック」と呼びます。この病態の難しさは、QRSが突然抜ける重症な「Mobitz Ⅱ型」なのか、徐々に電気伝導が伸びてから抜ける「Wenckebach型」なのかを、1回の波形だけでは判別しにくい点にあります。 一般にMobitz Ⅱ型は無症状でもPM適応、Wenckebach型は有症状の場合にPM適応とされますが、2:1ブロックで失神などの症状がある場合は、どちらのタイプであってもPM適応を考慮すべき「心原性失神」の可能性が高いと判断し、迅速に循環器内科へコンサルトする必要があります。
2. 高度房室ブロック(3:1、4:1):Mobitz Ⅱ型を超える重症度 P波が3回あるいは4回に対してQRS波が1回しか出ない状態(3:1や4:1のブロック)は、**高度房室ブロック(アドバンス房室ブロック)**と定義されます。これはMobitz Ⅱ型よりもさらに重症度が高く、突然の失神を伴うリスクが極めて高い危険な状態です。たとえ一時的に意識が回復していても、心電図でこの所見を認めた場合は、一刻を争うコンサルト症例となります。
3. Ⅲ度房室ブロック(完全房室ブロック):診断の進め方と鑑別のポイント 最も重症なのが、P波とQRS波のつながりが完全に断たれるⅢ度房室ブロックです。診断において重要なのは、単に「つながりがない」ことを確認するだけでなく、その原因が「心臓自体の故障」なのか、それとも「可逆的な外部要因」なのかを見極めることです。 具体的には、以下の3ステップでの評価が不可欠です。
- ① 過去の心電図との比較:例えば以前に心房細動(Af)があった患者が、現在はつながりのない規則的な徐脈になっている場合などは、洞不全や高度ブロックへの移行を示唆します。
- ② 電解質(K値)の確認:高カリウム血症は、真の不整脈と見紛う波形を作り出すため、必ず採血データをチェックします。
- ③ 内服薬の確認:β遮断薬や一部の降圧薬、ワーファリン以外の循環器薬などが、電気伝導を抑制していないかを確認します。
これらの評価を経て、外部要因がなくⅢ度房室ブロックの可能性が高いと判断されれば、最終的にペースメーカーの適応となります。柏・我孫子エリアで「原因不明のふらつき」や「健診での心電図異常」を指摘された方は、その波形が将来の失神や心停止につながる警告サインでないか、微細なつながりを読み解ける専門医による診断が推奨されます。





※詳しくはこちらの症例解説をどうぞ


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最後に、柏五味歯科内科リウマチクリニックでは、最新の医学的知見に基づき、心電図の波形だけでなく、過去の経過や血液データ、内服薬を含めた「体の仕組み」を総合的に読み解く診療を行っています。
房室ブロックのように、一見すると判別が難しい波形であっても、「なぜこの不整脈が起きているのか」、そして**「本当に今、手術(ペースメーカー)が必要なのか」**という根拠を明確にし、患者様が納得して次の一歩を踏み出せるようサポートいたします。
柏市・我孫子市周辺で、ふらつきや立ちくらみ、心電図の「ブロック」という言葉に不安をお持ちの方は、循環器専門医や総合内科専門医へご相談ください。地域の皆様の大切な「ライフライン(心拍)」を守るため、共に最適な治療方針を考えていきましょう。
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