- 2026年5月24日
ターソン症候群とは?
「くも膜下出血」で目にも出血が起きる病気を解説
視力低下・飛蚊症の原因になることも【柏・我孫子の総合内科専門医】
「急に頭が痛くなったあと、目が見えにくくなった」
「黒い虫のようなものが飛んで見える」
「脳出血のあとから視力が落ちた」
このような症状がある場合、**ターソン症候群(Terson症候群)**という病気が隠れていることがあります。
ターソン症候群とは、くも膜下出血などによって急激に頭の圧(頭蓋内圧)が上昇し、目の中に出血が起きる病気です。
脳の病気と思われがちな「くも膜下出血」ですが、実は眼にも大きな影響を与えることがあります。
今回は、
- ターソン症候群とは何か
- なぜ目に出血するのか
- どんな症状が出るのか
- 治療や視力予後
- 飛蚊症との関係
について、患者さん向けにわかりやすく解説します。
■ターソン症候群とは?
ターソン症候群とは、
「脳の出血」に伴って眼球内にも出血が起きる状態
を指します。
特に多いのが、
- くも膜下出血
- 重症脳出血
- 重症頭部外傷
などです。
代表的なのは、
「くも膜下出血+硝子体出血」
の組み合わせです。
■くも膜下出血とは?
脳の血管にできた「動脈瘤」が破れることで起こる危険な病気です。
突然、
- 「今までで一番痛い頭痛」
- 吐き気
- 意識障害
- 首が硬い
- 麻痺
などを起こします。
放置すると命に関わるため、緊急治療が必要です。
■なぜ目にも出血するの?
ここがターソン症候群の重要ポイントです。
くも膜下出血では、
脳の圧(頭蓋内圧)が急激に上昇
します。
すると、
- 眼につながる静脈が圧迫
- 網膜の細い血管が破綻
- 眼球内に出血
が起こると考えられています。
つまり、
「脳の圧変化」が目の出血を引き起こす
病気なのです。

■どんな症状が出る?
症状は眼の出血量によって異なります。
よくあるのは、
- 飛蚊症(黒いものが飛ぶ)
- かすむ
- 視力低下
- 赤黒く見える
- 片目が見えにくい
などです。
重症では、
「突然ほとんど見えなくなる」
こともあります。
■飛蚊症との違いは?
飛蚊症は加齢でもよく起こります。
しかしターソン症候群では、
- 急激
- 大量
- 視力低下を伴う
- 脳症状がある
ことが特徴です。

■硝子体出血とは?
眼の中には「硝子体(しょうしたい)」という透明なゼリー状組織があります。
ここに出血すると、
光が通れなくなり視力低下
を起こします。
これが「硝子体出血」です。

■どうやって診断するの?
主に、
- 眼底検査
- OCT
- 頭部CT
- MRI
- 脳血管検査
などで診断します。
特に重要なのは、
「脳の病気+眼出血」を結びつけること
です。
■治療は?
まず最優先なのは、
くも膜下出血の治療
です。
脳動脈瘤に対して、
- コイル塞栓術
- クリッピング手術
などが行われます。
■眼の出血は自然に治る?
軽症では自然吸収されることもあります。
しかし、
- 出血量が多い
- 視力低下が強い
- 長期間改善しない
場合には、
硝子体手術(硝子体切除術)
が行われます。

■視力は元に戻るの?
多くの患者さんでは改善が期待できます。
ただし、
- 出血量
- 治療開始までの時間
- 網膜障害の程度
によっては後遺症が残ることもあります。
そのため、
「脳の病気が落ち着いたあとも眼科フォローが重要」
です。
■こんな時はすぐ受診
- 突然の激しい頭痛
- 意識障害
- 頭痛+視力低下
- くも膜下出血後の飛蚊症
- 急に見えにくくなった
場合は、早急な受診が必要です。
■まとめ
ターソン症候群は、
「くも膜下出血によって眼にも出血が起きる病気」
です。
特に、
- 飛蚊症
- 視力低下
- 硝子体出血
が重要なサインになります。
脳の病気だけでなく、
「眼にも合併症が起きる」
ことを知っておくことが大切です。
頭痛や脳出血後に視覚異常がある場合は、早めに眼科・脳神経外科へ相談しましょう。
※今回の症例(ターソン症候群)は下記になります。
症例一覧です。右側に科別分類あります。
https://kashiwa-gomi-shikanaika.com/blog/category/medical_science/%e7%97%87%e4%be%8b
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