- 2026年5月24日
膝蓋骨近位極の完全断裂とは?:「膝のお皿の上が切れる」ケガを柏・我孫子の総合内科専門医がわかりやすく解説
「転倒したあとから膝が伸ばせない」
「階段が上れない」
「膝のお皿の上がへこんでいる気がする」
そのような症状の背景に、膝蓋骨近位極(しつがいこつ きんいきょく)の完全断裂というケガが隠れていることがあります。
これは簡単にいうと、
「太ももの筋肉と膝のお皿をつなぐ部分が切れてしまうケガ」
です。
特に、
- 転倒
- スポーツ外傷
- 高齢者のつまずき
- 強い踏ん張り
などをきっかけに起こることがあります。
今回は、膝蓋骨近位極の完全断裂について、患者さん向けにわかりやすく解説します。
■膝蓋骨とは?
膝のお皿の骨を膝蓋骨(しつがいこつ)と呼びます。
この骨は、
- 太ももの筋肉(大腿四頭筋)
- 膝のお皿
- 膝下につながる腱
によって支えられています。
これらは一緒になって、
「膝を伸ばす力」
を作っています。
■何が起きる病気?
今回のケースでは、
- 膝蓋骨の上側(近位極)
- 大腿四頭筋腱との付着部
が完全に断裂していました。
つまり、
「太ももの筋肉の力が膝に伝わらなくなった状態」
です。
そのため、
- 膝を伸ばせない
- 歩きにくい
- 階段が困難
- 立ち上がれない
などの症状が出ます。
■患者さんによくある症状
代表的な症状
- 転倒後から膝が痛い
- 膝のお皿の上が腫れる
- 膝を伸ばせない
- 力が入らない
- 歩行困難
- 階段がつらい
特に重要なのは、「自力で膝を伸ばせない」という点です。
これは腱断裂を疑う重要なサインです。
■なぜ高齢者で起こりやすい?
加齢により、
- 腱が弱くなる
- 変性する
- 血流が低下する
ことで、比較的軽い転倒でも断裂することがあります。
また、
- 糖尿病
- 透析
- ステロイド使用
- 慢性炎症
などもリスクになります。
■レントゲンでは分からないことがある
今回の症例でも、X線では明らかな骨折ではありませんでした。
しかし、
- 膝蓋骨の位置異常
- 軟部組織の異常
などから疑われました。
実際には、
MRIで
- 腱の断裂
- 付着部損傷
- 周囲炎症
が確認され、診断に至っています。
■画像検査が重要です
レントゲン
主に、
- 骨折
- 脱臼
- 膝蓋骨位置
を確認します。
MRI
MRIでは、
- 腱断裂
- 筋肉損傷
- 炎症
- 出血
まで詳しく評価できます。
特に、「膝が伸ばせないのに骨折がはっきりしない」場合にはMRIが非常に重要です。
■放置するとどうなる?
完全断裂を放置すると、
- 歩行障害
- 慢性的な筋力低下
- 可動域制限
- 転倒リスク増加
につながることがあります。
また、時間が経つほど、
- 腱が縮む
- 修復が難しくなる
ことがあります。
■治療は?
完全断裂では手術が必要になることが多い
今回の症例でも、「外科的修復術」が行われています。
切れた腱を再び縫い合わせ、膝を伸ばす機能を回復させます。
■術後リハビリが非常に重要
手術後は、
- 安静
- 装具固定
- 徐々に可動域訓練
- 筋力回復
を進めていきます。
早く動かしすぎても、逆に動かさなすぎても問題になるため、「適切なリハビリバランス」が非常に重要です。
■予後は?
早期診断・早期治療ができれば、
- 歩行能力改善
- 日常生活復帰
が期待できます。
ただし、
- 筋力低下
- 可動域制限
が多少残ることもあります。
そのため、「転倒後に膝が伸ばせない」場合には早めの受診が重要です。
■こんな症状は早めに受診を
- 転倒後から膝が伸ばせない
- 力が入らない
- 歩けない
- 膝のお皿の上がへこんでいる
- 急に階段が困難になった
このような場合、単なる打撲ではなく、「腱断裂」が隠れていることがあります。
■まとめ
膝蓋骨近位極の完全断裂は、「膝を伸ばす仕組み」が切れてしまう重要なケガです。
特に、
- 高齢者の転倒
- スポーツ外傷
では注意が必要です。
MRIによる診断と、早期治療・リハビリが非常に重要になります。
「膝が伸ばせない」
「力が入らない」
といった症状がある場合は、早めに整形外科へ相談しましょう。

膝蓋骨近位腱の完全断裂症例はこちらになります。
症例一覧は下記へどうぞ
https://kashiwa-gomi-shikanaika.com/blog/category/medical_science/%e7%97%87%e4%be%8b
柏五味歯科内科リウマチクリニック
ホームページ