• 2026年5月28日

太陽網膜症とは?

「太陽を直接見てはいけない理由」を総合内科専門医がわかりやすく解説

「日食を見たあとから視界がおかしい…」
「太陽を見てしまってから中心が見づらい…」
「黒い点が残る感じがする…」

このような症状の背景に、**太陽網膜症(solar retinopathy)**という病気が隠れていることがあります。

太陽網膜症は、太陽光によって目の奥の“網膜”がダメージを受ける病気です。特に、

  • 日食観察
  • 肉眼で太陽を見る
  • サングラスだけで太陽を見る
  • 溶接光を見る
  • レーザーポインターを覗く

などで起こることがあります。

今回は、実際の症例をもとに、患者さん向けにわかりやすく解説します。

■太陽網膜症とは?

目の奥には、**網膜(もうまく)**という「カメラのフィルム」のような組織があります。

その中心には、

  • 文字を読む
  • 人の顔を見る
  • 運転する
  • スマホを見る

ために重要な「黄斑(おうはん)」があります。

太陽を直接見ると、この黄斑が強い光エネルギーで障害され、視力低下を起こします。

■どんな症状が出るの?

代表的なのは以下の症状です。

  • 視界の中心がぼやける
  • 黒い点が見える
  • 文字が読みづらい
  • 物がゆがんで見える
  • 色がおかしく見える
  • 片目だけ見えづらい

特徴的なのは、

「周囲は見えるのに、中心だけ見づらい」

という症状です。

■今回の症例

43歳男性。
数週間前から右目の見えづらさを自覚しました。

詳しく聞くと、

「太陽を見る習慣があった」

とのことでした。

視力は、

  • 右 0.7
  • 左 0.4

でしたが、通常の眼底検査では大きな異常は目立ちませんでした。

しかし、OCT(光干渉断層計)という精密検査を行うと、

  • 網膜中心部
  • 黄斑の細胞層

に障害が確認されました。

これは太陽網膜症で典型的にみられる所見です。

■OCT検査とは?

OCTは、

「網膜の断面をみる検査」

です。

CTスキャンの“目バージョン”のようなイメージです。

通常の診察では分からない小さな障害も発見できます。

■なぜ太陽を見ると危険なの?

太陽光には、

  • 可視光線
  • 赤外線
  • 紫外線

など強いエネルギーがあります。

これが虫眼鏡のように目の奥へ集まり、網膜細胞を傷つけます。

特に危険なのが、

  • 日食
  • スマホ撮影しながらの観察
  • 「少しだけなら大丈夫」という油断

です。痛みがないため、気づかないまま障害が進むことがあります。

■治るの?

軽症では自然回復することがあります。

しかし、

  • 中心視野障害
  • ゆがみ
  • 視力低下

が後遺症として残る場合もあります。

つまり、

「予防が最も重要な病気」

です。

■やってはいけないこと

以下は非常に危険です。

  • 肉眼で太陽を見る
  • サングラスだけで日食を見る
  • カメラ越しに太陽を見る
  • 子どもに日食観察を任せる
  • レーザーを目に向ける

特に市販サングラスでは紫外線を防げても、太陽観察用としては不十分なことがあります。

■こんな症状があれば眼科へ

  • 太陽を見たあと見えづらい
  • 中心がぼやける
  • 黒い点が残る
  • 視界がゆがむ
  • 日食後からおかしい

このような場合は眼科受診をおすすめします。

OCT検査で診断につながることがあります。

※当院では一緒に虎の門病院で初期研修医から頑張ってきた同士が眼科で開業しており、連携をとり優秀な眼科医につなげることもできます。

https://www.arai-ganka.jp

■まとめ

太陽網膜症は、

「太陽光で網膜がやけどを起こす病気」

です。

特に中心視野を担う黄斑が障害されるため、

  • 視力低下
  • ゆがみ
  • 中心暗点

が起こります。

一度障害されると完全には戻らないこともあるため、

「太陽を直接見ない」

ことが最も重要です。

「少しだけなら大丈夫」が危険な病気でもあります。

気になる症状がある場合は、早めに眼科で相談しましょう。

※今回の症例はこちら

※目がかすむ原因は光のダメージだけではありません。血液の病気が目に現れる意外なサインを専門医が解説。

※OCTが目の断面を映すように、CTやMRIは全身の異常を可視化します。見えない不調を特定する検査の重要性。

CT症例

https://kashiwa-gomi-shikanaika.com/blog/category/ct

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