• 2026年5月22日
  • 2026年6月19日

喘息のない「非典型的EGPA」:側頭動脈炎を合併した稀な限定型症例の診断と治療【柏・我孫子の専門医解説】

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA/チャーグ・ストラウス症候群)は、通常、気管支喘息や著明な好酸球増多を前駆症状として発症する全身性血管炎です。しかし、臨床現場ではこれら典型的な特徴を欠く「限定型」や「非典型例」が存在し、診断が極めて困難な場合があります。

今回は症例報告です。78歳女性、3ヶ月続く不明熱、全身浮腫、頸部リンパ節腫脹を主訴に来院されました。特筆すべきは、喘息の既往がなく、好酸球増多も軽度(5.5%)でした。皮膚紫斑顎跛行(あごの痛み)を認め、組織生検を実施しました。

病理組織学的検査の結果、リンパ節周囲の小血管におけるフィブリノイド変性、著明な好酸球浸潤を伴う肉芽腫形成を認め、側頭動脈の血管腔狭窄も確認されました。EGPAに特徴的な所見ならびに側頭動脈炎が存在していたことから「側頭動脈炎を合併した非喘息型EGPA」と診断されました。側頭動脈炎を合併するEGPAは世界的に見ても極めて稀です。治療としてプレドニゾロン(20mg/日)を開始したところ、症状と検査データは速やかに改善し、2年以上の長期寛解を維持しています。

Kobayashi T, Kanno K, Kikuchi Y, et al. An Atypical Case of Non-asthmatic Eosinophilic Granulomatosis with Polyangiitis Finally Diagnosed by Tissue Biopsy. Intern Med 58: 871-875, 2019. (DOI: 10.2169/internalmedicine.1167-18)

本症例からの学びとしてはガイドラインの基準だけに捉われないこと、喘息がないからEGPAではない、といった画一的な判断ではなく、組織生検など確かな医学的根拠を大切にすることで、非典型的な難病の見落としを防ぎ、適切な治療へと繋げていける、ということが学びがありました。

当院では血管炎症候群(巨細胞性動脈炎・高安動脈炎・結節性多発動脈炎・ANCA関連血管炎(MPA・GPA・EGPA)を管理・治療することができます。大病院とも連携しており入院連携もスムーズです。

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