• 2026年5月28日

神経芽腫とは?

咳が続いて見つかった「小児がん」の症例から学ぶ【柏・我孫子の総合内科専門医解説】

「子どもの咳がなかなか治らない」

小児ではよくある症状ですが、まれに“重大な病気”が隠れていることがあります。

今回は、「長引く咳」から偶然発見された神経芽腫(しんけいがしゅ)」

という重要な症例をご紹介します。

神経芽腫は、小児に発生する代表的ながんのひとつです。

特に乳幼児に多く、

・お腹のしこり
・発熱
・体重減少
・元気低下

などで見つかることがあります。

しかし今回の症例では、

「咳が続く」

という、一見ありふれた症状がきっかけでした。

■神経芽腫とは?

神経芽腫は、「交感神経」という神経の細胞から発生する腫瘍です。

交感神経は、

・心拍
・血圧
・発汗
・呼吸

などを調整する“自律神経”の一部です。

この神経は体中に存在するため、神経芽腫もさまざまな場所に発生します。

特に多いのは、

・副腎(腎臓の上)
・胸の中(縦隔)
・首
・骨盤

です。

■今回の症例

今回報告されたのは、

生後5か月の男児

です。

約2か月間、咳が続いていました。

診察では、

・熱なし
・呼吸状態安定
・全身状態良好

で、一見すると重症感はありませんでした。

しかし胸部レントゲンで異常影が見つかりました。

■胸部レントゲンで何が分かったの?

レントゲンでは、胸の奥(後縦隔)に腫瘤(しこり)が見つかりました。

さらにCT検査で、脊髄の近くに腫瘍が確認されました。

これは、「後縦隔神経芽腫」と呼ばれるタイプでした。

■なぜ咳が出たのか?

今回の重要ポイントです。

神経芽腫そのものは肺の病気ではありません。

しかし胸の中にできると、

・気管
・気管支
・肺

を圧迫することがあります。

すると、咳や呼吸症状が出現することがあります。

■神経芽腫は危険な病気?

神経芽腫は、「自然に小さくなるタイプ」もあります。

一方で、

・急速に進行する
・骨へ転移する
・命に関わる

タイプもあります。つまり、

“幅が非常に大きい病気”

なのです。年齢や遺伝子異常によって予後が変わります。

■どんな検査をするの?

神経芽腫では、

・CT
・MRI
・尿検査
・MIBGシンチ
・病理検査

などが行われます。特に重要なのが、

「どこまで広がっているか」

を確認することです。

■治療はどうするの?

治療は病期によって異なります。

主な治療は、

・手術
・化学療法
・放射線治療

です。今回の症例では、

腫瘍の部分切除+化学療法

が行われました。

その後、再発は認めていません。

■咳だけでも油断できないことがある

小児の咳の多くは、

・風邪
・気管支炎
・喘息

などです。しかし、

・長引く
・改善しない
・いつもと違う

場合には、画像検査が必要になることがあります。

今回のように、

「胸の奥の腫瘍」

が隠れているケースもあるためです。

■まとめ

神経芽腫は、乳幼児に発生する代表的な小児がんです。

胸の中にできると、

・咳
・呼吸症状

で発見されることがあります。特に、

「長引く咳」

では、まれな病気も含めた評価が重要です。

小児では「よくある症状」に見えても、背景に重大疾患が隠れていることがあります。

早期発見が、その後の治療につながります。

※今回の症例はこちらになります。

柏五味歯科内科リウマチクリニック

ホームページ