• 2026年6月12日

【柏市・医科歯科連携】むし歯じゃないのに上の奥歯が痛い?「蓄膿症(上顎洞炎)」が引き起こす歯の痛みと症状:総合内科専門医と根管治療専門医が解説

その歯の痛み、実は「鼻」からきているかもしれません

「歯に穴も開いていないのに上の奥歯が痛い」「階段を降りたり、ジャンプしたりすると歯に響く」とお悩みではありませんか?実はその痛みの原因は、歯そのものではなく「上顎洞炎(じょうがくどうえん)」という病気かもしれません。一般的には「副鼻腔炎(ふくびくうえん)」や「蓄膿症(ちくのうしょう)」と呼ばれることが多いこの疾患は、歯科と耳鼻科(内科)の共通疾患です。むし歯と間違えやすい上顎洞炎のメカニズムと、正しい対処法を紐解きます。

1. 「上顎洞炎(蓄膿症)」とは?

私たちの顔の骨(目、鼻、口に囲まれた部分)の中には、「上顎洞(じょうがくどう)」と呼ばれる空洞があります。この空洞の内側を覆っている粘膜が炎症を起こした状態を「上顎洞炎」と呼びます。

2. 歯のばい菌が鼻へうつる「歯性上顎洞炎」

上の奥歯の根の先は、この「上顎洞」のすぐ近く、あるいは突き抜けるように位置していることがあります。そのため、上の奥歯の大きなむし歯や重度の歯周病を長期間放置すると、細菌が歯の根を伝って上顎洞の内部に侵入し、感染を引き起こします。これが「歯性上顎洞炎」です。原因が「歯」にあるため、基本的には原因となった歯の抜歯(まれに残せることもあります)と、抗生物質による細菌の除去、上顎洞内の洗浄といった歯科での治療が必要になります。

3. 鼻の風邪が「歯の痛み」を引き起こすケース

逆に、風邪などで鼻から侵入した細菌やウイルスによって上顎洞が炎症を起こす(一般的な副鼻腔炎)と、その炎症がすぐ下にある奥歯の神経を刺激し、まるでむし歯のように「歯が痛い」と感じることがあります。この場合、歯そのものには異常がないため、歯科で歯を削ったり抜いたりする必要はなく、耳鼻科や内科での炎症治療が基本となります。

4. 見逃してはいけない上顎洞炎のサイン

以下のような症状がある場合、単なるむし歯ではなく上顎洞炎が疑われます。

  • コンコンと歯を叩くと響く、または歯肉を押すと痛い。
  • 階段の昇り降りや飛び跳ねた時の「振動」で歯が響く。
  • 鼻水が出る、または鼻の奥で「くさい臭い」がする。
  • 目の下や頬骨のあたりを押すと痛い、腫れている。
  • 横になって寝返りを打つなど、体位を変えた時に鼻の奥で液体が流れる感じがする。

5. 適切な診断と「医科歯科連携」の重要性

「歯が痛いから歯科」「鼻水が出るから耳鼻科・内科」と単純に分けられないのが、私たちの体の複雑なところです。ひとつの症状に複数の科が絡んでいることは少なくありません。上の奥歯に違和感がある場合は、お口と全身(鼻や気道を含む)の両面から総合的に診断できる医療機関の受診が勧められます。

柏歯科医師会広報委員会

柏五味歯科内科リウマチクリニックでは、総合内科専門医と歯科医師が密接に連携しています。当院ではCTを用いて原因不明の「上の奥歯の痛み」が歯性上顎洞炎であることの診断やその治療を行うことができます。また近医耳鼻科とも連携しており紹介も頻回に行っております。お口の中の細菌(歯周病やむし歯)によるものなのか、あるいは鼻からのウイルス・細菌感染(副鼻腔炎)によるものなのか、「体の仕組み」を丁寧に紐解きながら多角的に診断します。私たちは、柏・我孫子エリアの皆様が不必要な歯の治療(抜歯や神経を抜くこと)を避け、根本的な原因から健やかな状態を取り戻せるよう全力でサポートいたします。

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