- 2026年5月23日
家庭内でうつる「虫刺され?」の正体とは
家族で同じようなかゆい発疹が出たら疑うべき「疥癬(かいせん)」【柏・我孫子の皮膚トラブル相談・総合内科専門医】
「最近、家族みんながかゆがっている」
「夜になるとかゆみが強い」
「虫刺されと思っていたのに、なかなか治らない」
このような症状の背景に、“疥癬(かいせん)” という皮膚の感染症が隠れていることがあります。
疥癬は、ヒゼンダニ(疥癬虫) という非常に小さなダニが皮膚に寄生して起こる病気です。
強いかゆみを伴い、家族内・施設内などで広がることがあります。
今回は、実際の典型例をもとに、患者さん向けにわかりやすく解説します。
■疥癬とは?
疥癬は、皮膚の表面にダニが寄生することで起こる感染症です。
ダニそのものは非常に小さく、肉眼ではほとんど見えません。
しかし、
- 強いかゆみ
- 赤いブツブツ
- 家族内で似た症状
が大きな特徴になります。
特に、
- 同居家族
- 高齢者施設
- 介護施設
- 寮生活
などでは広がりやすいことがあります。
■今回の症例
30歳代男性と30歳代女性が、
- 数日前からの強いかゆみ
- 赤い発疹
を主訴に受診しました。
男性では、
- 胴体
- 上腕
に発疹がみられました。
女性では、
- 腹部
- 背部
に赤い発疹があり、
一部は中央が少し盛り上がる特徴的な形をしていました。
さらに重要だったのは、
「家族内で同じような症状が出ていた」
という点です。
※今回の症例の詳細。先にこちらを見てもよいです。
■なぜ「家族内発症」が重要なのか?
通常の湿疹や虫刺されは、家族全員に同時に広がることは多くありません。
しかし疥癬では、
接触によって人から人へうつる
ため、
- 配偶者
- 子ども
- 同居家族
へ広がることがあります。
特に、
- 一緒に寝る
- 長時間の皮膚接触
- タオルや寝具の共有
などで感染しやすくなります。

■疥癬でよくみられる症状
代表的なのは、
強い「かゆみ」
です。
特に、
夜に悪化しやすい
のが特徴です。
また、
- 赤いブツブツ
- 湿疹
- 小さな盛り上がり
- 引っかき傷
などがみられます。
■疥癬で特徴的な「疥癬トンネル」とは?
疥癬では、ダニが皮膚の浅い部分を掘って進むため、
「疥癬トンネル」
と呼ばれる細い線状病変がみられることがあります。
特に、
- 指の間
- 手首
- 肘
- わき
- 陰部
などに出やすいとされています。

■どうやって診断するの?
診断では、
- 発疹の特徴
- 家族内感染
- 強いかゆみ
などを総合的に判断します。
さらに、
顕微鏡検査
でダニや卵を確認できると、診断がより確実になります。
今回も、皮膚を少し採取して検査を行い、
疥癬虫の一部や卵
が確認されました。
■「ペルメトリン」とは?
今回使用された
ペルメトリン(Permethrin)
は、疥癬治療でよく使われる外用薬です。
ダニを駆除する効果があります。
ただし治療開始後、
一時的にかゆみや赤みが強くなる
ことがあります。
これは、
- ダニ成分
- 炎症反応
による“治療後反応”として起こることがあります。

■ステロイドだけでは治らないことがある
疥癬を単なる湿疹と思い、
- ステロイド外用
- かゆみ止め
だけで様子を見ると、
原因のダニが残ってしまう
ことがあります。
すると、
- 家族内感染
- 長期化
- 再発
につながることがあります。
■家の環境対策も重要
治療では、
本人だけでなく家族対応も重要
です。
必要に応じて、
- 家族も診察
- 寝具の洗濯
- 衣類交換
- 掃除
などが行われます。
■こんな時は皮膚科受診を
- 家族みんながかゆい
- 夜に強いかゆみ
- 虫刺されが治らない
- ステロイドで改善しない
- 同居家族に同様症状
このような場合は、
疥癬が隠れていることがあります。
早期診断・早期治療によって、
- 症状改善
- 家族内感染予防
につながります。
■まとめ
疥癬は、
「ただの虫刺され」に見えることもある感染症
です。
しかし、
- 家族内発症
- 夜間の強いかゆみ
- 特徴的な皮疹
は重要なサインです。
適切な治療と環境対策によって改善が期待できます。
気になる症状がある場合は、早めに皮膚科へ相談しましょう。
今回の症例(家具甲虫感染症)に関してはこちら
柏五味歯科内科リウマチクリニック
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