- 2026年5月23日
子どもの「血を壊す病気」?
特発性肺ヘモジデローシス(IPH)とは
〜繰り返す貧血・咳・息切れに注意〜【柏・我孫子の総合内科専門医解説】
「最近ずっと貧血と言われている」
「咳が続く」
「熱がないのに息苦しそう」
「肺炎を繰り返す」
このような症状の背景に、非常にまれですが、
「特発性肺ヘモジデローシス(Idiopathic Pulmonary Hemosiderosis:IPH)」
という病気が隠れていることがあります。
これは、
肺の中で繰り返し“出血”が起きる病気
です。
特に小児で発症することがあり、
- 重い貧血
- 咳
- 息切れ
- 血痰
- 肺の白い影
などを繰り返します。
一方で、初期には「ただの貧血」「風邪」「肺炎」と思われることもあり、診断に時間がかかることがあります。
今回は、
- 特発性肺ヘモジデローシスとは?
- なぜ貧血になるの?
- どんな症状に注意?
- どうやって診断する?
- 治療は?
について、患者さん向けにわかりやすく解説します。
■特発性肺ヘモジデローシスとは?
特発性肺ヘモジデローシス(IPH)は、
肺の細い血管から繰り返し出血する病気
です。
肺胞(空気の袋)の中に血液が漏れ出し、
その結果、
- 酸素を取り込みにくくなる
- 鉄分が失われる
- 強い貧血になる
といった問題が起こります。

■なぜ「貧血」が起こるの?
肺の中で出血すると、
体の中の鉄分が失われる
ためです。
その結果、
- ヘモグロビン低下
- 鉄欠乏性貧血
- 顔色不良
- 疲れやすさ
が起こります。
小児では、
「原因不明の重い貧血」
として見つかることもあります。

■どんな症状が出るの?
代表的なのは、
- 咳
- 息切れ
- 発熱
- 呼吸苦
- 顔色不良
- 疲れやすい
- 動くと苦しい
などです。
さらに進行すると、
- 血痰(血の混じった痰)
- 呼吸不全
を起こすこともあります。
ただし小児では、
必ずしも血痰が出ない
ことも多く、
「原因不明の貧血+肺の影」
が重要な手がかりになります。

■CTで見える「白い影」とは?
肺胞の中に血液がたまると、
CTでは、
「白っぽいモヤモヤした影(すりガラス影)」
として見えることがあります。
これは肺炎にも似ているため、
最初は感染症と思われることもあります。

■どうやって診断するの?
診断では、
- 貧血
- CT異常
- 肺胞出血
- 気管支鏡検査
などを組み合わせて評価します。
特に重要なのが、
「ヘモジデリン貪食マクロファージ」
という細胞です。
これは、
肺の中で出血した血液を“掃除した細胞”
であり、肺胞出血の証拠になります。

■原因は分かっているの?
実は、
はっきりした原因はまだ完全には分かっていません。
そのため「特発性(原因不明)」という名前がついています。
ただし、
- 自己免疫
- 免疫異常
- 炎症反応
などの関与が考えられています。
■治療はどうするの?
中心となるのは、
ステロイド治療
です。
炎症や免疫反応を抑えることで、
- 肺出血
- 呼吸症状
- 貧血
の改善を目指します。
重症例では、
- 免疫抑制薬
- 酸素療法
- 入院管理
が必要になることもあります。
■放置するとどうなる?
肺胞出血を繰り返すと、
- 慢性的な貧血
- 肺機能低下
- 呼吸障害
につながることがあります。
そのため、
「繰り返す貧血+肺症状」
では早めの評価が重要です。
■まとめ
特発性肺ヘモジデローシス(IPH)は、
肺の中で繰り返し出血するまれな病気
です。
特に、
- 原因不明の強い貧血
- 咳や息切れ
- 肺の白い影
- 肺炎を繰り返す
場合には注意が必要です。
また、
血痰がなくても肺出血が隠れていることがある
ため、「見えない出血」に気づくことが重要になります。
■柏・我孫子で「原因不明の貧血」「咳」「息切れ」でお困りの方へ
柏五味歯科内科リウマチクリニック では、
- 原因不明の貧血
- 長引く咳
- 呼吸苦
- 自己免疫疾患
- 膠原病関連肺疾患
について総合的に診療しております。
必要に応じて、
- 血液検査
- 胸部画像検査
- 高次医療機関紹介
も行っております。
「なかなか原因が分からない」
「貧血を繰り返している」
「咳と息切れが長引く」
などがありましたら、お早めにご相談ください。
※今回の症例を詳しく見たい方はこちらへどうぞ
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