• 2026年5月29日

まぶたが腫れて目が開かない…実は「TIF1γ陽性皮膚筋炎」だった症例

目の腫れや咳の裏に隠れていた自己免疫疾患とは?

「最近まぶたが腫れている」
「疲れやすくて階段がつらい」
「原因不明の咳が続く」

このような症状の背景に、自己免疫疾患である「皮膚筋炎(ひふきんえん)」が隠れていることがあります。

今回は、目の周囲の腫れから診断に至った皮膚筋炎の症例をもとに、柏・我孫子のリウマチ専門医が分かりやすく解説します。

■皮膚筋炎とは?

皮膚筋炎は、

  • 筋肉
  • 皮膚

などに炎症が起こる自己免疫疾患です。

本来は体を守る免疫が、自分自身の組織を攻撃してしまうことで発症します。

特に重要なのは、

  • 筋力低下
  • 特徴的な皮膚症状
  • 間質性肺炎

を合併することがある点です。

■今回の症例

61歳女性。

約6か月前から

  • まぶたの腫れ
  • 顔のむくみ
  • 筋力低下

が徐々に進行していました。

受診時には、

  • 上下のまぶたの著明な腫れ
  • 目の周囲の赤紫色の発疹
  • 肩や太ももの筋力低下

がみられました。

■ヘリオトロープ疹とは?

皮膚筋炎を代表する皮膚症状です。

まぶたが

  • 赤紫色になる
  • むくむ
  • 腫れる

という特徴があります。

アレルギーや眼科疾患と間違われることもありますが、

皮膚筋炎の重要な診断の手がかりになります。

■筋力低下はどんな症状?

皮膚筋炎では特に

  • 太もも

など体の中心に近い筋肉が弱くなります。

例えば、

  • 階段が上れない
  • しゃがんで立てない
  • 洗濯物を干しにくい
  • 髪を洗うのが大変

といった症状として現れます。

■血液検査では何が分かったの?

今回の患者さんでは、CK(筋肉の酵素)が正常の何十倍にも上昇していました。

これは、筋肉に強い炎症が起きているサインです。

さらに、「抗TIF1γ抗体」という皮膚筋炎特有の自己抗体が陽性でした。

■自己抗体とは?

自己抗体とは、自分自身の組織を攻撃する免疫の目印です。

皮膚筋炎には複数の自己抗体があります。

その中でも抗TIF1γ抗体は、

  • 典型的な皮膚筋炎
  • 強い皮膚症状

との関連が知られています。

■肺にも炎症が起きていた

MRIや検査の結果、筋肉だけではなく肺にも炎症がみられました。

これを間質性肺炎と呼びます。

■どうやって診断するの?

診断には、

  • 症状
  • 血液検査
  • MRI
  • 筋電図
  • 皮膚生検
  • 筋生検

などを組み合わせます。

どれか1つだけで診断することは少なく、総合的な評価が重要です。

■治療は?

今回の患者さんには、

  • ステロイド
  • シクロホスファミド(CY)
  • メトトレキサート(MTX)
  • 免疫グロブリン療法(IVIG)

が行われました。

■治療後はどうなった?

治療開始後、

  • 全身状態改善
  • 筋力改善
  • 発疹改善
  • 眼瞼腫脹改善

が認められました。

皮膚筋炎は重症化すると

  • 呼吸不全
  • 嚥下障害
  • 日常生活動作の低下

につながることがありますが、早期診断・早期治療によって改善が期待できます。

■リウマチ専門医・総合内科専門医からのメッセージ

皮膚筋炎は、「筋肉の病気」と思われがちですが、実際には

  • 皮膚
  • 筋肉

など全身に影響する自己免疫疾患です。特に、

✅ まぶたの赤紫色の腫れ
✅ 原因不明の筋力低下
✅ 長引く咳や息切れ

がある場合は重要なサインかもしれません。

皮膚症状が診断の入り口になることも少なくありません。

早期発見・早期治療によって筋力や肺機能を守れる可能性があるため、気になる症状が続く場合は早めにご相談ください。

柏市・我孫子市周辺で筋力低下や膠原病が心配な方は、柏五味歯科内科リウマチクリニックまでお気軽にご相談ください。

※今回のもと症例はこちらです。

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