• 2026年3月24日
  • 2026年7月26日

線維筋痛症診療ガイドライン2017を柏我孫子のリウマチ専門医・総合内科専門医が解説

検査では異常がないのに全身が痛む。脳が痛みに過敏になる「体の仕組み」と個別化治療の重要性

「全身が激しく痛んでこわばるのに、病院で血液検査やレントゲン検査を受けても『異常はありません』と言われてしまう」「強い疲労感や不眠が続き、日常生活を送るのもやっとの思いだ」――このような、原因不明の慢性的な痛みに苦しんでいませんか? それは決して「気のせい」や「怠け」ではなく、「線維筋痛症(FM)」という正式な病気かもしれません。線維筋痛症は、日本の人口の約1.7〜2.1%(推定200万人以上)と比較的頻度が高く、特に中年女性に多く発症する機能性身体症候群(FSS)です。 今回は、『線維筋痛症診療ガイドライン2017』に基づき、痛みが起こる「体の仕組み」と、痛みを和らげて生活の質(QOL)を取り戻すための最新の治療戦略について、柏・我孫子のリウマチ専門医・総合内科専門医が解説します。

1. 脳が痛みに過敏になる「中枢性感作症候群」

線維筋痛症の最大の謎は、関節リウマチのように関節が腫れたり、炎症の数値(CRPなど)が上がったりするような「目に見える異常」がないことです。 なぜ異常がないのに激しく痛むのでしょうか。その病態の核心は、脳や脊髄の神経系が痛みに対して異常に過敏になってしまう「中枢性感作症候群(CSS)」にあると考えられています。通常であれば痛みを感じないようなわずかな刺激(触れるだけ、冷たい風にあたるだけなど)でも、脳が「激痛だ」と誤って認識してしまう、神経の伝達エラー(体の仕組み)が起きているのです。

2. 痛みの広がりと多様な随伴症状

診断には、全身18箇所の「圧痛点(押すと痛む場所)」を評価する1990年の分類基準や、痛みが体のどの範囲に広がっているか(WPI)と、症状の重症度(SSスコア)を用いる2010年以降の診断基準が組み合わせて活用されます。 また、この病気は痛みだけでなく、睡眠障害、強い疲労感、うつ状態、認知障害(頭にモヤがかかったような状態)、過敏性腸症候群(IBS)などを高頻度に合併するのが特徴です。これらの随伴症状が連鎖することで、患者様の生活の質は著しく低下してしまいます。

3. 一般的な痛み止めが効かない理由と最新の薬物療法

線維筋痛症の痛みは、炎症が原因ではないため、一般的な解熱鎮痛薬(ロキソニンなどのNSAIDs)やステロイドを使っても効果が乏しいことがわかっています。 そのため、薬物療法では「神経の過敏状態」を鎮めるお薬が主役となります。神経の過剰な興奮を抑える「プレガバリン(リリカ)」や、脳内の痛みを抑える物質(セロトニン・ノルアドレナリン)を増やす「デュロキセチン(サインバルタ)」、痛みの伝達をブロックする「トラマドール」などが高く推奨されています。

4. 薬だけに頼らない「多角的なサポート」

治療は、薬物療法と「非薬物療法」を組み合わせた『個別化治療』が基本となります。非薬物療法としては、段階的な有酸素運動や認知行動療法(CBT)、鍼治療、温泉療法などが有効とされています。 線維筋痛症は「目に見えない障害」であるため、周囲の理解が得られず孤立してしまう患者様が少なくありません。医療者との信頼関係を築き、必要に応じて障害年金や身体障害者手帳といった公的保障制度を活用することや、患者会などで情報を共有することが、長期的な療養において極めて重要になります。

全身の原因不明の痛みでお悩みの方は、一人で抱え込まず、全身の痛みのメカニズムを的確に診ることができるリウマチ専門医へご相談ください。

柏五味歯科内科リウマチクリニックでは、リウマチ専門医・総合内科専門医の視点から、原因不明の慢性疼痛がどのような**「体の仕組み」で起きているのかを丁寧に紐解き、関節リウマチや他の自己免疫疾患との鑑別を正確に行います。当院の内科(リウマチ・生活習慣病診療)・発熱外来は土曜日の午後も17時まで診療を行っており、平日お忙しい方の長引く痛みや疲労感のご相談にもしっかり対応いたします。また、線維筋痛症に伴うドライマウス(お口の渇き)や、お口の痛みが気になる場合、当院の歯科は土曜日午後2時(14時)まで**診療を行っており、医科と連携してお口周りの総合的なケアを行うことが可能です。柏・我孫子エリアで原因不明の症状にお悩みの方は、かかりつけ医である当院へお気軽にご相談ください。

■ 受診をご希望の方へ
👉 【医科】(総合内科・かかりつけ医・疼痛管理)WEB予約はこちらhttps://melmo-app.com/clinic/673d5e08785f0f0030870bdb/reservation?method=visit

👉 【歯科】(ドライマウス・膠原病関連口腔内ケア・根管治療・小児歯科など)WEB予約はこちらhttp://www.gomidental-kashiwa.com/reservation/

📞 お電話でのご予約・お問い合わせ(健康診断・ワクチンなど)

【医科】:04-7196-7531 【歯科】:04-7191-7081

🏥 柏五味歯科内科リウマチクリニック アクセス 〒277-0902 千葉県柏市大井764-1 バスでお越しの方:千代田常磐線 柏駅東口 東武バス1番乗場(「沼南車庫」「小野塚台」「手賀の丘公園」「布瀬」行き)よりバス15分 「大井」下車 徒歩1分 車でお越しの方:柏駅より約15分

日本線維筋痛症学会. “線維筋痛症診療ガイドライン2017”. 2017.

■関連記事

1. 朝、手がこわばり、関節が腫れて痛む方へ

「全身が痛い」という症状が出たとき、線維筋痛症と必ず見分けなければならないのが「関節リウマチ」や「乾癬性関節炎」などの免疫の病気です。これらの病気は線維筋痛症とは異なり、放置すると関節そのものが破壊されて変形してしまいます。似て非なる痛みを見抜く体の仕組みと、専門医による正確な診断アプローチをご案内します。

2. 冬場や冷たい水に触れた時、指先が真っ白や紫色に変わる方へ

痛みに加えて、寒さやストレスで指先の色が極端に変わる「レイノー現象」がある場合、「全身性強皮症」などの別の膠原病が隠れている可能性があります。血管が過剰に収縮してしまう体の仕組みと、放置してはいけない重大なサインについてリウマチ専門医が解説します。当院の内科は土曜日の午後も診療を行っております。

3. 物忘れや頭のモヤモヤ(認知機能の低下)が気になる方へ

線維筋痛症の患者様を悩ませる症状の一つに、「頭にモヤがかかったような状態(ブレインフォグ)」や認知機能の低下があります。それが単なる疲労からくるものなのか、それともアルツハイマー病などの初期症状なのかを見極める、最新の血液検査技術と医学的アプローチについて総合内科専門医がご説明します。

柏五味歯科内科リウマチクリニック

ホームページ