• 2026年6月3日

【柏我孫子市・医科歯科連携】肝臓病と歯科治療の意外な関係:安全に「抜歯」や「手術」を受けるための重要ガイド:歯科保存専門医が解説

「沈黙の臓器」肝臓の健康が、お口の治療の安全性を左右します

肝臓は「肝心要(かんじんかなめ)」という言葉の通り、私たちの生命活動を支える巨大な化学工場です。代謝、解毒、胆汁の分泌といった主要な機能に加え、出血を止める成分の生成や免疫機能も担っています。しかし、肝臓は強い再生能力を持つ「沈黙の臓器」でもあるため、障害が起きても自覚症状が出にくいという特徴があります。肝臓病(肝硬変、肝癌、ウイルス性肝炎など)をお持ちの方が歯科治療を受ける際に注意すべきポイントを解説します。

1. 歯科治療における3つの重大なリスク

肝機能が低下すると、歯科治療、特に抜歯や歯石取り(スケーリング)などの出血を伴う処置において、以下のような問題が生じやすくなります。

  • 止血の困難と傷の治り: 血液を固める成分(止血成分)は主に肝臓で作られるため、肝機能が低下すると**「血が止まりにくい」「傷口が塞がりにくい」**といったトラブルが起こる可能性があります。
  • 薬剤への過敏反応: 肝臓の解毒作用が弱まると、歯科で処方される抗生物質、鎮痛剤、麻酔薬などの薬が効きすぎたり、体内に長く留まって副作用が出やすくなったりします。
  • 病態の悪化: 逆に、特定の薬剤を服用することで肝臓にさらなる負担を与え、状態を悪化させてしまうケースもあります。

2. ウイルス性肝炎と感染予防の重要性

B型肝炎やC型肝炎などのウイルス性肝炎は、血液や体液を介して感染する強い力を持っています。

  • 自己申告の大切さ: 歯科治療には出血を伴う処置が多いため、医療従事者や他の患者さんへの二次感染を防ぐためにも、ご自身が肝炎であること(あるいはキャリアであること)を事前に伝えることが非常に重要です。
  • 安全な治療体制: 適切な内科的コントロールと、歯科医院側での徹底した滅菌・感染対策が行われていれば、肝炎の方でも十分に安全な治療を受けることが可能です。

3. 「自覚のないリスク」を防ぐために

最も注意が必要なのは、感染していても発症していない「キャリア」の状態です。ご自身でも気づかないうちに肝機能が低下している場合があるため、年に一度は健康診断を受け、ご自身の肝臓の状態を把握しておくことが、将来の安全な歯科治療への備えとなります。当院では肝臓専門医もいるので気軽にご相談ください。

柏歯科医師会 広報委員会

柏五味歯科内科リウマチクリニックでは、肝臓専門医・総合内科専門医と歯科医師が連携し、お薬の代謝や止血リスクを多角的に分析することで、「体の仕組み」に基づいた安全な歯科治療を提供しています。私たちは、肝臓の状態まで考慮したトータルケアを通じて、柏・我孫子エリアの皆様が安心して治療を継続できるよう全力でサポートいたします。

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