• 2026年7月2日

治療抵抗性高血圧に対するバクスドロスタットの第3相試験:Bax24試験:柏我孫子の総合内科専門医が解説

塩分を溜め込むホルモン(アルドステロン)を根本からブロック。「夜間高血圧」を劇的に改善する最新治療

「血圧の薬を毎日しっかり何種類も飲んでいるのに、どうしても血圧が下がらない」――そんなお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?実は、利尿薬を含む3種類以上の降圧薬を最大量まで使っても血圧が目標値まで下がらない状態を、医学用語で「治療抵抗性高血圧」と呼びます。 これまで、こうした手強い高血圧に対する有効な手立ては限られていましたが、今回、世界で最も権威のある医学誌の一つ『The Lancet』にて、全く新しいメカニズムを持つ新薬「バクスドロスタット(Baxdrostat)」の第3相臨床試験(Bax24試験)の結果が発表されました。今回はこの最新データに基づき、薬が効かなくなる「体の仕組み」と、新薬がどのようにして24時間の血圧を安全に下げるのかについて柏我孫子の総合内科専門医が解説します。

1. 血圧が下がらない原因は「ホルモンの暴走」にあった(体の仕組み)

なぜ、複数の薬を飲んでも血圧が下がらないのでしょうか?近年の研究で、治療抵抗性高血圧の患者様の体の中では、「アルドステロン」というホルモンが異常に分泌されていることが多いと分かってきました。 アルドステロンは、腎臓に働きかけて「体内に塩分と水分を溜め込む」役割を持っています。このホルモンが暴走すると、血管の中が水風船のようにパンパンに膨れ上がり、どんなに血管を広げる薬を飲んでも血圧が下がりにくくなってしまうという体の仕組みがあるのです。

2. ホルモンを作る工場をストップさせる新薬「バクスドロスタット」

今回開発された「バクスドロスタット」は、このアルドステロンを作り出す酵素(アルドステロン合成酵素)の働きをピンポイントでブロックする、画期的な飲み薬です。 世界22カ国で行われた今回の臨床試験では、すでに3種類以上の薬を飲んでも血圧が高い患者様にこの新薬を12週間追加していただきました。その結果、偽薬(プラセボ)を飲んだグループと比較して、24時間の平均血圧が「-14.0 mmHg」も劇的に低下することが証明されました。この下がり幅は、これまでの治療抵抗性高血圧に対する様々な治療の中でも最大級の驚くべき効果です。

3. 命に関わる「夜間高血圧」をしっかり下げる

高血圧の中でも、特に心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めるのが、寝ている間も血圧が高いままの「夜間高血圧」です。治療抵抗性高血圧の患者様は、日中に溜め込んだ塩分を夜間に排泄しようとするため、夜も血圧が下がらない(ノンディッパー型)ことが多いのが特徴です。 バクスドロスタットは、この最も危険な「夜間の血圧」を、日中と同じくらい強力に引き下げる効果があることが今回の試験で明確に示されました。

4. 専門医による血液検査(カリウム・腎機能)の重要性

非常に優れた効果を持つ一方で、アルドステロンの働きを抑えることで、血液中の「カリウム」というミネラルが高くなったり、一時的に腎臓の数値(eGFR)が低下したりする体の仕組みもあります。今回の試験では、重度な高カリウム血症の発生率は3%と低く、腎機能の低下も薬をやめれば元に戻る安全なものであることが確認されていますが、治療開始直後は定期的な血液検査が欠かせません。 「血圧がなかなか下がらない」「薬の種類ばかり増えて不安」という方は、決して自己判断で薬をやめず、最新の治療知識を持つ総合内科専門医へご相談ください。

柏五味歯科内科リウマチクリニックでは、総合内科専門医の視点から、ただ血圧の数値を下げるだけでなく、ホルモンや腎臓がどのように関わっているのかという**「体の仕組み」を丁寧に紐解きながら**、あなたに本当に合った最適な高血圧治療をご提案します。私たちは、柏・我孫子エリアの皆様が、動脈硬化や将来の心血管イベントへの不安から解放され、ご家族揃って安心で健やかな毎日を楽しめるよう、全力でサポートいたします。

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Michel Azizi, Jenifer M Brown, Jamie P Dwyer, et al. “Effect of baxdrostat on ambulatory blood pressure in patients with resistant hypertension (Bax24): a phase 3, randomised, double-blind, placebo-controlled trial.” Lancet 2026; 407: 988–999.

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