• 2026年3月29日
  • 2026年6月23日

「歯に原因がない歯痛」の正体とは?非歯原性歯痛の診断と治療

非歯原性歯痛とは、むし歯や歯周病など歯そのものに原因がないにもかかわらず、歯に痛みを感じる疾患の総称です。歯科外来を訪れる患者の約2%程度に認められると推定されていますが、最大の臨床的問題は、誤診によって抜髄(歯の神経を取る)抜歯といった不可逆的な歯科治療が行われてしまうことです。これらの歯科処置は非歯原性の痛みに対しては全く無効であり、むしろ症状を悪化させることさえあります。

歯原性でない場合の原因を以下の8つに分類します。

  1. 筋・筋膜痛: 咬筋や側頭筋など、噛む筋肉のコリ(トリガーポイント)から生じる関連痛
  2. 神経障害性疼痛: 三叉神経痛(電撃のような鋭い痛み)や帯状疱疹後の神経痛など。
  3. 神経血管性頭痛: 片頭痛や群発頭痛に伴う歯の痛み。
  4. 上顎洞疾患: 副鼻腔炎(蓄膿症)による炎症が歯に波及したもの。
  5. 心臓疾患: 狭心症や心筋梗塞の関連痛。歯痛が唯一の症状である場合もあり、見逃すと生命に関わります。
  6. 精神疾患・心理社会的要因: うつ病や不安などの身体化によるもの。
  7. 特発性歯痛: 非定型歯痛とも呼ばれ、抜歯後などに原因不明の持続的な痛みが続く状態。
  8. その他、腫瘍や血管炎など。

診断においては、詳細な問診と検査で歯に異常がないことを確認することが不可欠です。当該歯に局所麻酔を打っても痛みが改善しない場合は、非歯原性である可能性が高まります。治療は原因ごとに異なり、三叉神経痛にはカルバマゼピン、非定型歯痛にはアミトリプチリンなどの三環系抗うつ薬や心理療法が検討されます。原因不明の歯痛に悩む患者に対し、安易に歯を削るのではなく、適切な診療科への紹介を含めた多角的なアプローチが推奨されています。柏市や我孫子市にお住いの方で歯痛にお困りの方はご気軽にご相談ください。当院は医科とも連携しており、レッドフラッグである巨細胞性動脈炎であるかないかの診断(膠原病領域)など、非歯原性の疼痛管理にも長けています。

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