• 2026年5月24日

舌が緑色に!?「毛舌(もうぜつ)」とは?:抗菌薬のあとに起こることがある“舌の変化”を柏・我孫子の総合内科専門医が解説

「舌の色が急に変わった」
「舌に毛のようなものが生えてきた」
「カビ? がん? 大丈夫?」

このような症状が突然出ると、とても不安になります。

実は、抗菌薬の使用後などに起こることがある良性の状態として、「毛舌(もうぜつ)」 という病気があります。

見た目のインパクトは強いですが、多くは重い病気ではなく、適切な口腔ケアで改善することが多い疾患です。

今回は、舌が黒・緑・黄色っぽく見える「毛舌」について、原因・症状・治療法を患者さん向けにわかりやすく解説します。

■毛舌(もうぜつ)とは?

毛舌とは、

舌の表面にある「糸状乳頭(しじょうにゅうとう)」が伸びてしまう状態

です。

通常、舌の表面は細かな突起で覆われています。

しかし、

  • 舌の清掃不足
  • 抗菌薬使用
  • 喫煙
  • 口腔乾燥

などをきっかけに、この突起が長く伸びることがあります。

すると、その部分に

  • 細菌
  • 色素
  • 食べ物
  • タバコ成分

などが付着し、舌が

  • 茶色
  • 黄色

などに変色して見えることがあります。

■今回のケース

64歳男性。

歯科治療後に抗菌薬(クリンダマイシン)を使用したあとから、

  • 舌が緑色になる
  • 舌に毛のような変化が出る

ようになりました。

口腔カンジダ症が疑われ抗真菌薬(フルコナゾール)が使用されましたが改善せず、内科受診となりました。

診察では、舌の表面に細長い糸状乳頭がみられ、緑色へ変色していました。

これは典型的な 「毛舌」 の所見でした。

■「毛」が生えているわけではない

毛舌という名前ですが、

実際に毛が生えているわけではありません。

舌の表面の突起(糸状乳頭)が長く伸びているだけです。

そのため、

  • 抜け毛のような病気
  • がん
  • 舌が腐っている

というわけではありません。

※なぜ起こるの?

毛舌の原因として多いのは以下です。

■ 抗菌薬

抗菌薬によって口の中の細菌バランスが変化すると、毛舌が起こることがあります。

特に、

  • クリンダマイシン
  • テトラサイクリン系
  • 広域抗菌薬

などで報告があります。

■ 喫煙

タバコは舌表面の角化を促進し、毛舌の原因になります。

■ 口腔ケア不足

舌表面の汚れが蓄積すると悪化しやすくなります。

■ 口の乾燥(ドライマウス)

唾液が減ると舌表面の清掃作用が低下します。

■カンジダ症との違い

毛舌はしばしば

「口腔カンジダ症」

と間違われます。

しかし両者は異なります。

毛舌カンジダ
糸状乳頭が伸びる真菌感染
黒・緑・黄色など白苔が多い
多くは良性抗真菌薬が必要
舌ブラシで改善することも感染治療が必要

※治療は?

多くの場合、

原因を減らし、舌を清潔に保つ

ことで改善します。

■ 舌ブラシ・歯磨き

舌表面をやさしく清掃します。

強くこすりすぎると逆に傷つくため注意が必要です。

■ 禁煙

喫煙は再発リスクになります。

■ 原因薬剤の見直し

必要に応じて抗菌薬などを調整します。

■放置して大丈夫?

多くは良性ですが、

  • 強い痛み
  • 出血
  • 潰瘍
  • 急速な拡大
  • 長期間改善しない

場合は別疾患の可能性もあるため受診が重要です。

特に、

  • 舌が硬い
  • しこりがある
  • 一部だけ盛り上がる

場合は舌がんなどとの鑑別が必要になることがあります。

■今回のケースのその後

この患者さんでは、

  • 舌ブラシによる清掃
  • 禁煙指導

が行われました。

その後、喫煙は継続していたものの、6か月後には舌の見た目は正常に戻っていました。

毛舌は見た目に驚く病気ですが、

多くは改善可能な良性疾患

です。

■まとめ

毛舌とは

  • 舌の表面の「糸状乳頭」が伸びる状態
  • 黒・緑・黄色などに変色することがある
  • 抗菌薬・喫煙・口腔乾燥などが原因
  • 多くは良性
  • 舌清掃や禁煙で改善することが多い

ただし、

  • 潰瘍
  • 出血
  • 強い痛み
  • 長期間改善しない

場合は別疾患の可能性もあるため、早めの受診が大切です。

■柏市・我孫子市で「舌の異常」「口の変色」が気になる方へ

  • 舌の色がおかしい
  • 毛のように見える
  • カンジダと言われたが改善しない
  • 抗菌薬後から変化した
  • がんではないか心配

そのような症状がある方は、お気軽にご相談ください。

柏五味歯科内科リウマチクリニックでは、総合内科専門医・口腔内専門医として医科歯科連携し全身評価ならびに口腔内評価を行っております。

※今回の症例は下記になります。

※症例一覧はこちらになります。

https://kashiwa-gomi-shikanaika.com/blog/category/medical_science/%e7%97%87%e4%be%8b

柏五味歯科内科リウマチクリニック

ホームページ