- 2026年5月24日
急性ジアルジア症とは?「下痢が続く…」その原因、寄生虫感染かもしれません【腎移植・免疫抑制中は要注意】柏・我孫子・取手の総合内科専門医が解説
「数日間、下痢が止まらない」
「抗菌薬を飲んでも改善しない」
「海外渡航していないのに寄生虫?」
そのような症状の背景に、「ジアルジア症(ランブル鞭毛虫感染)」が隠れていることがあります。
特に、
- 腎移植後
- ステロイドや免疫抑制剤を使用中
- 抵抗力が低下している
このような方では、通常より感染しやすくなるため注意が必要です。
今回は、腎移植後に発症した急性ジアルジア症をもとに、患者さん向けにわかりやすく解説します。
■ジアルジア症とは?
ジアルジア症は、「ランブル鞭毛虫(Giardia lamblia)」という寄生虫による感染症です。
主に、
- 汚染された水
- 食べ物
- 手指を介した感染
によって広がります。
腸、特に十二指腸や小腸に寄生し、
- 下痢
- 腹痛
- お腹の張り
- 吐き気
- 体重減少
などを引き起こします。

■今回のケース
今回の症例では、
- 24歳男性
- 腎移植後
- 免疫抑制剤を使用中
- 3日間続く下痢
を認めていました。
腎移植後は、
- ステロイド
- カルシニューリン阻害薬
- MMF(ミコフェノール酸)
などで免疫を抑えるため、感染症リスクが上昇します。
■なぜ免疫抑制中に問題になるの?
通常、私たちの免疫は腸内の異物を排除しています。
しかし免疫抑制状態では、
- 寄生虫
- ウイルス
- 真菌
- 細菌
などに感染しやすくなります。
特にジアルジアは、長引く下痢の原因として重要です。

■ジアルジア症ではどんな症状が出る?
代表的な症状は、
- 水様性下痢
- 悪臭の強い便
- お腹の張り
- 腹痛
- 吐き気
- 食欲低下
です。
長引くと、
- 脱水
- 栄養障害
- 体重減少
につながることがあります。
■便検査が診断の鍵
ジアルジア症では、便を顕微鏡で観察すると、
- 栄養型(動く虫体)
- 嚢子(感染性の形)
が見つかることがあります。
今回の症例でも、便顕微鏡検査で特徴的な所見が確認されました。
さらに、
- 便抗原検査
- PCR検査
などが行われることもあります。

■治療は?
代表的な治療薬は、
- メトロニダゾール
- チニダゾール
などです。
今回の症例では、メトロニダゾール(MNZ)を5日間使用し改善しました。
適切に治療すれば、多くは改善します。

■放置するとどうなる?
免疫が低下している方では、
- 長期の下痢
- 重度脱水
- 栄養障害
- 体力低下
につながることがあります。
特に移植後患者さんでは、脱水によって腎機能が悪化することもあるため注意が必要です。

■こんな時は受診を
- 下痢が長引く
- 移植後である
- 免疫抑制剤を使用中
- 原因不明の腹痛
- 体重減少がある
- 海外渡航後
- 水や食事で体調不良後
このような場合は、早めの受診が重要です。
■まとめ
急性ジアルジア症は、寄生虫による腸感染症です。
特に、
- 腎移植後
- ステロイド使用中
- 免疫抑制状態
では注意が必要です。
「ただの胃腸炎かな?」と思っても、長引く下痢の背景に特殊な感染症が隠れていることがあります。
適切な検査と治療によって改善が期待できるため、気になる症状がある場合は早めにご相談ください。
※今回の症例はこちらです。
※症例一覧はこちらになります。
https://kashiwa-gomi-shikanaika.com/blog/category/medical_science/%e7%97%87%e4%be%8b
移植後やリウマチ治療で使用される免疫抑制剤(シクロスポリンなど)については、こちらの副作用に関する解説も併せてご確認ください。
免疫抑制剤が必要となる背景や、高度な腎臓管理の重要性についてはこちらの記事が参考になります。
柏五味歯科内科リウマチクリニック
ホームページ