- 2026年8月2日
【柏市我孫子市・リウマチ科】見逃されがちな「骨の脆さ」と「首のリスク」。最新2026年ガイドラインが明かす軸性脊椎関節炎(axSpA)の全身管理と体の仕組み
漫然としたレントゲン検査は時代遅れ?骨折、心疾患、うつ病から患者様を守るための専門医のトータルサポート戦略
「軸性脊椎関節炎(axSpA:強直性脊椎炎を含む)」の治療において、背骨や骨盤の「痛み」や「炎症」を抑え込むことはもちろん最優先事項です。しかし、患者様が真に安全で快適な生活を長く送るためには、背骨以外の「見えないリスク」にも目を向ける必要があります。 今回、米国リウマチ学会(ACR)等から発表された『2026年版 軸性脊椎関節炎の治療ガイドライン』では、薬物治療や理学療法だけでなく、画像のフォローアップ方法、骨粗鬆症対策、手術時の注意点、そして心血管疾患などの全身スクリーニングに関する詳細な指針が示されています。今回はこの最新ガイドラインに基づき、病気と生涯付き合っていくための「体の仕組み」に沿ったトータルケアについて、成田柏我孫子のリウマチ専門医が解説します。
1. 画像検査の落とし穴:定期的な「レントゲン」は非推奨
治療が順調に進んでいるかを確認するために、「毎年なんとなく背骨のレントゲンを撮っている」という患者様はいらっしゃいませんか? 実は最新のガイドラインでは、疾患の活動性(痛みの有無)に関わらず、「決められた間隔(例えば2年ごとなど)で定期的に脊椎や骨盤のX線(レントゲン)検査を行うこと」は、放射線被曝の観点や治療方針への影響の少なさから【条件付きで非推奨】と明言されました。 一方で、生物学的製剤などで治療中であるにもかかわらず、痛みが再燃して病気の活動性が「不明確」になった場合には、被曝を伴うPETスキャンや骨シンチグラフィーではなく、「脊椎または仙腸関節のMRI」を撮影して的確に評価することが【強く推奨】されています。無駄な検査を省き、必要な時に最も精度の高い検査(MRI)を行うのが現代のスタンダードです。
2. 骨の健康:背骨は硬くなるのに「骨はスカスカ」になる
axSpAの患者様は、背骨の靭帯が骨に変わって硬くくっついてしまう(強直する)一方で、炎症の影響により骨の中身はスカスカになる「骨粗鬆症」を合併しやすいという、矛盾した「体の仕組み」を持っています。 ガイドラインでは、すべての患者様に対する「転倒評価とカウンセリング」を【強く推奨】しており、DXAスキャン(二重X線吸収法)による低骨量のスクリーニングを求めています。特に背骨の変形(靭帯骨贅)が進んでいる方の場合は、股関節だけでなく「脊椎と股関節の両方」のDXAスキャンを行うことが推奨されています。骨折は患者様の生活の質を致命的に下げるため、骨を強くするお薬(骨同化薬や骨吸収抑制薬)の適切な併用が不可欠です。
3. 命を守る周術期管理:全身麻酔時の「首」のリスク
もし、axSpAの患者様が別の病気などで「全身麻酔を伴う手術」を受けることになった場合、最大の危険ポイントとなるのが「首(頸椎)」です。 背骨が強直している患者様は、麻酔をかける際の「気管挿管(管を喉に入れる処置)」の際に首を後ろに反らせることができず、無理に行うと頸髄損傷などの致命的な事故に繋がる恐れがあります。そのため、頸椎病変がある患者様に対しては、事前に麻酔科医へ助言し、患者様に十分なインフォームドコンセントを行う(挿管カウンセリング)ことが【強く推奨】されています。また、重度の股関節炎に対して人工股関節全置換術(THA)を行った後は、異常な骨ができてしまう「異所性骨化」を防ぐために、放射線ではなく「セレコキシブ(NSAIDs)」を服用することが推奨されています。
4. 痛みの向こう側にある「心と体の健康」
全身の炎症は、血管や心にも影響を及ぼします。ガイドラインでは、axSpA患者様に対する「心血管疾患(心筋梗塞など)のリスクスクリーニング」が推奨されています。ただし、症状がないのに心電図や心エコーをルーチンで行うことは推奨されていません。 また、長引く痛みや疲労は「うつ病」を引き起こしやすいため、うつ病のスクリーニングと管理を行うことも推奨されています。そして、背骨が強直している患者様は、軽い衝撃でも背骨が折れやすいため(brittle spine)、万が一の事故の際に救急隊員にリスクを知らせる「医療用アラートブレスレット」の着用が推奨されていることも、極めて重要なポイントです。
柏五味歯科内科リウマチクリニックでは、リウマチ専門医・総合内科専門医の視点から、関節の痛みだけでなく、患者様の「骨の強さ」「心臓・血管の状態」「心の健康」に至るまで、全身の**「体の仕組み」をトータルで評価・管理いたします。当院の内科(リウマチ・生活習慣病診療)・発熱外来は土曜日の午後も17時まで診療を行っており、平日お忙しい方の定期的な検査や、お薬の副作用管理にもしっかり対応いたします。また、骨粗鬆症のお薬(ビスホスホネート製剤など)を使用する際は、顎の骨の壊死を防ぐために治療開始前からの徹底した歯科管理が必須となります。当院の歯科は土曜日午後2時(14時)まで**診療を行っており、医科と専門的な歯科が一つ屋根の下で緊密に連携し、患者様の安全を極限まで高めるトータルケアを行うことが可能です。柏・我孫子エリアで安心・安全なリウマチ治療をご希望の方は、かかりつけ医である当院へお気軽にご相談ください。
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American College of Rheumatology, Spondylitis Association of America, Spondyloarthritis Research and Treatment Network. “2026 Update of the American College of Rheumatology/Spondylitis Association of America/Spondyloarthritis Research and Treatment Network Recommendations for the Treatment of Axial Spondyloarthritis in Adults and Children/Adolescents.” 2026.
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