• 2026年6月12日

二期梅毒による巨大コンジローマ ― 「ただのコンジローマ」ではないこともあります:柏我孫子の総合内科専門医が解説

性器にできる「いぼ」と聞くと、多くの方は尖圭コンジローマ(HPV感染症)を思い浮かべるかもしれません。

しかし実際には、梅毒によってコンジローマのような病変ができることがあります。

今回紹介する症例は、梅毒によって巨大なコンジローマ様病変を形成した非常に珍しいケースです。

■梅毒とは?

梅毒は、「梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)」という細菌によって起こる性感染症です。

近年、日本でも患者数が増加しており、若年層を中心に大きな問題となっています。

■梅毒は段階的に進行する

第1期梅毒

感染後約3週間

  • 性器
  • 肛門

などに痛みの少ないしこりや潰瘍(硬性下疳)が出現します。

しかし自然に消えることも多く、「治った」と勘違いしてしまうことがあります。

第2期梅毒

感染から数か月後、細菌が全身へ広がることで

  • 発疹
  • 発熱
  • 倦怠感
  • リンパ節腫脹

など様々な症状が現れます。特に有名なのが

  • 手のひら
  • 足の裏

に出る発疹です。

■今回の患者さん

10代女性。

1か月以上続く外陰部の病変を主訴に受診しました。

発症数か月前に感染リスクとなる接触歴がありました。

診察では外陰部や肛門周囲に多数の隆起性病変がみられました。

※実際の症例写真では非常に大きな病変が形成されていました。詳細は元ページを参照。閲覧注意です。

■コンジローマには2種類ある

多くの人が知っている

尖圭コンジローマです。

原因:

  • HPV(ヒトパピローマウイルス)

特徴:

  • 表面がカリフラワー状
  • 比較的硬い
  • 性器周囲にできる

一方、

扁平コンジローマ(Condyloma lata)

原因:

  • 梅毒

特徴:

  • 平らで湿った病変
  • 白っぽい
  • 非常に感染力が強い

という違いがあります。

■今回は「巨大扁平コンジローマ」

病変から採取した検体では梅毒菌の遺伝子が検出されました。

さらに血液検査では

  • TP抗体陽性
  • RPR高値

であり、

二期梅毒による巨大扁平コンジローマ

と診断されました。

■なぜ巨大化したの?

通常の扁平コンジローマは比較的小さい病変です。しかし、

  • 診断が遅れた
  • 感染が持続した
  • 若年で受診が遅れた

などの要因により巨大化することがあります。

そのため「ただのいぼ」と思って放置しないことが重要です。

■検査はどう行う?

診断には

血液検査

  • RPR
  • TP抗体

を測定します。

病変検査

病変部から検体を採取し、

  • PCR検査
  • 顕微鏡検査

を行うこともあります。

■治療は?

現在の標準治療は

「ベンジルペニシリンベンザチン筋注」による治療です。

ペニシリンは梅毒菌に非常によく効きます。

今回の症例でも治療開始後に病変は著明に改善しました。

■放置するとどうなる?

未治療のまま経過すると、

数年~数十年後に

  • 神経梅毒
  • 心血管梅毒
  • 視力障害
  • 聴力障害

など重い合併症を起こすことがあります。

■総合内科専門医からのコメント

近年、日本では梅毒患者数が急増しています。

梅毒は「昔の病気」ではなく、現在も身近な感染症です。

特に

  • 性器のいぼ
  • 治らない発疹
  • 手のひらや足の裏の発疹
  • 原因不明のリンパ節腫脹

がある場合は梅毒を疑う必要があります。

また、尖圭コンジローマと思われる病変の中に、今回のような梅毒による扁平コンジローマが隠れていることもあります。

早期に診断できれば治療効果は非常に良好です。

気になる症状がある場合は、早めに総合内科・皮膚科・婦人科・泌尿器科へ相談しましょう。

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柏五味歯科内科リウマチクリニック

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