- 2026年5月28日
嗄声(声がれ)が続く…実は「喉のカビ感染」だった?
高齢者・吸入ステロイド使用者で注意したい「喉頭カンジダ症」を柏・我孫子の総合内科専門医・リウマチ専門医が解説
「最近、声がかすれる」
「風邪は治ったのに声だけ戻らない」
「吸入薬を使ってから声が出しづらい」
このような症状がある場合、単なる加齢や風邪ではなく、“喉のカビ感染” が隠れていることがあります。
今回ご紹介するのは「喉頭カンジダ症(こうとうカンジダしょう)」という病気です。
カンジダという真菌(カビ)が喉に感染し、声帯に炎症を起こすことで、声がれ(嗄声)が出現します。
特に、
- COPD(慢性閉塞性肺疾患)
- 喘息
- 吸入ステロイド使用
- 高齢者
- 糖尿病
- 免疫低下状態
では注意が必要です。
■喉頭カンジダ症とは?
「カンジダ」は、もともと人の口や消化管に存在することもある真菌(カビ)の一種です。
通常は問題を起こしませんが、
- 免疫低下
- 吸入ステロイド
- 抗菌薬使用
- 糖尿病
- 高齢
などがあると増殖し、感染症を起こします。
口の中にできる「口腔カンジダ」は比較的有名ですが、実は声帯や喉にも感染することがあります。
これが「喉頭カンジダ症」です。
■どんな症状が出るの?
もっとも多い症状は、
「長引く声がれ(嗄声)」
です。
そのほか、
- 声が出しにくい
- のどの違和感
- 咳
- 痰
- のどのヒリヒリ感
- 話すと疲れる
などがみられることがあります。
特に重要なのは、
「痛みが強くないのに声だけ悪い」
というケースです。
風邪と思っていても、数週間〜数か月続く場合は耳鼻科評価が重要になります。

■今回の症例では?
今回の症例は78歳男性。
COPDがあり、長期間吸入ステロイド(ICS/LABA)を使用していました。
約2か月続く声がれを認め、耳鼻科を受診。
内視鏡検査では、声帯に白い付着物(白苔)がみられました。
さらに詳しく調べると、カンジダ感染を示す所見が確認され、
「喉頭カンジダ症」
と診断されました。
抗真菌薬治療によって改善しています。
■なぜ吸入ステロイドで起こるの?
吸入ステロイドは、
- COPD
- 喘息
などで非常に重要な薬です。
一方で、吸入した薬剤の一部が喉に付着すると、
- 局所免疫低下
- 真菌増殖
が起こり、カンジダ感染の原因になることがあります。
これは決して「薬が悪い」という意味ではなく、
「必要な薬だからこそ、正しく使うことが重要」
ということです。
■吸入薬を使う人が注意したいポイント
吸入後の「うがい」が非常に重要
吸入後にうがいをすることで、
- 喉に残った薬剤
- 余分な粉末
を洗い流し、カンジダリスクを下げることができます。
特に重要なのは、
- ガラガラうがい
- できれば複数回
- 吸入直後に行う
ことです。

■こんな症状は耳鼻科受診を
以下の場合は、一度耳鼻科での喉頭内視鏡検査をおすすめします。
- 声がれが2〜3週間以上続く
- 吸入薬を使っている
- 声がどんどん悪くなる
- のどに白いものが見える
- 痛みは少ないのに声が悪い
- 喫煙歴がある
特に高齢者では、
- 喉頭がん
- 声帯ポリープ
- 麻痺
- 慢性炎症
などとの区別も重要です。当院でも近医耳鼻科(大学の先輩)と連携し必要に応じて紹介を行っております。
■「白い病変=カンジダ」とは限らない
喉に白い病変がある場合、
- 喉頭がん
- 白板症
- 慢性炎症
- 真菌感染
など様々な病気が考えられます。つまり、
「見た目だけでは断定できない」
ことも重要です。必要に応じて、
- 内視鏡
- 病理検査
- 培養検査
などを組み合わせて診断します。
■治療は?
治療は主に、
抗真菌薬(カビの薬)
を使用します。さらに、
- 吸入方法の見直し
- 吸入後うがい
- 口腔ケア
も重要です。
多くは適切治療で改善します。
■早期発見が大切です
喉頭カンジダ症は、
「ただの声がれ」
と思われやすく、見逃されることがあります。
しかし放置すると、
- 慢性炎症
- 声の悪化
- 長期化
につながることがあります。特に、
「吸入薬を使っていて声がれが続く」
場合は重要なサインです。
■まとめ
喉頭カンジダ症は、喉にカンジダ(真菌)が感染する病気です。特に、
- COPD
- 喘息
- 吸入ステロイド使用
- 高齢者
- 糖尿病
ではリスクが高まります。
「声がれくらい」と思っていても、長引く嗄声の背景に感染症が隠れていることがあります。
特に総合内科では、
「薬剤・基礎疾患・免疫状態」
を総合的に考えることが重要です。
声がれが続く場合は、早めに耳鼻科や総合内科専門医へご相談ください。
※今回の症例はこちら
※喉のカビ予防に欠かせない「うがいとお口の掃除」。歯周病が肺に与える影響と、当院の予防法を詳しく解説。
※必要な薬だからこそ、副作用を防ぐ知識が大切。リウマチ薬での「副作用防止のコツ」に学ぶ、賢い服薬法。
※「いつもの声がれ」「ただの湿疹」と放置しないで。専門医が見抜く、重大な病気が隠れているサイン。
※喉のカビを繰り返すなら、血糖値のチェックを。感染症リスクを高める糖尿病の適切な管理について。
柏五味歯科内科リウマチクリニック
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