- 高血圧4
- 糖尿病4
- 脂質異常症4
- 肝臓疾患について4
- 慢性腎臓病(CKD)4
生活習慣病
高血圧
血圧が基準とされる数値よりも慢性的に高い状態にあると高血圧と診断されます。
この場合、2つの血圧(収縮期血圧、拡張期血圧)の数値を測定していきます。
その結果、外来時の血圧測定で、収縮期血圧(最高血圧)が140mmHg以上、もしくは拡張期血圧(最低血圧)が90mmHg以上と確認されると高血圧と判定されます。
発症の原因については2つあります。
ひとつは本態性高血圧と呼ばれるもので、日本人の全高血圧患者様の8~9割は同タイプとされています。
これは原因がはっきり特定できない高血圧なのですが、遺伝的要因(高血圧になりやすい体質)に日頃の生活習慣が組み合わさるなどして起きるのではないかといわれています。
もう一つのタイプは二次性高血圧で、特定の病気(腎疾患、内分泌疾患、睡眠時無呼吸症候群
等)や薬剤(ステロイド、NSAIDs、漢方薬等)の影響など発症の原因がはっきりしている高血圧になります。
また症状に関してですが、血圧が慢性的に上昇していることによって、自覚症状が現れることはありません。
そのため放置を続けることが大半ですが、この間も常に余分な負荷をかけて心臓から血液を送らなければならないので、血管は損傷を受け続けるなどして、動脈硬化を促進させます。
これによって、血管は柔軟性を失い肥厚化するほか、血管内部は脆弱化していきます。
そして血管狭窄や血管閉塞が起きれば、脳血管障害(脳梗塞
等)、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、心不全、腎臓病(腎硬化症、腎不全)などの合併症を発症することもあります。
治療について
高血圧と診断されたら目的の数値まで血圧を下げ、それをコントロールできるようにしていきます。
そのためには、まず生活習慣の改善です。
なかでも食生活の見直しは重要で、1日の塩分摂取量を6g未満とします。
日本人の平均的な1日の塩分摂取量は、10~11gなので容易ではありませんが、だし、酢、香辛料などを用いて、味付けを工夫するなどして減塩していきます。
また体内の塩分を排出しやすくするため、利尿作用があるとされるカリウムを多く含む野菜や果物をとるようにしていきます。
さらに肥満の方は、それだけで心臓に負荷をかけるので減量に努める必要があるので食べ過ぎは厳禁です。
また適度な運動は血圧を下げることにつながるので、日常生活に取り入れましょう。
運動内容については、無理のない1日30分以上の有酸素運動で十分です。
生活習慣の改善だけでは、目標値まで血圧が下がらないとなれば、薬物療法も併用します。
主に降圧薬が用いられるのですが、患者様の血圧の状態によって、ひとつの薬剤で済むこともあれば、何種類か組み合わせて処方されることもあります。
降圧薬の種類としては、ARB、ACE阻害薬、カルシウム拮抗薬、利尿薬、ARNI、β遮断薬などがあります。
この降圧薬については、血圧が下がったからと勝手に飲むのをやめたりせず、医師の指示通りに服用されるようにしてください。
糖尿病
血糖値が慢性的に高くなっている状態のことを糖尿病といいます。
そもそも血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度を数値化したものです。
この血糖値は、食事をしたり、糖分の多いジュースを飲んだりすることで、誰でも上昇するようになります。
ただブドウ糖は、脳や身体のエネルギー源となるべく、細胞に取り込まれるので、それによって、血糖値は元の数値に戻るようになります。
ただ何らかの原因によって、数値が下がらず慢性的に上昇してしまうこともあるのです。
診断をつけるにあたっては、血液検査を行い、血糖値やHbA1cの数値を測定することで発症の有無がわかるようになります。
具体的な診断基準については、以下の通りです。
- ①血糖値の数値:早朝空腹時血糖値が126mg/dL以上、もしくは75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)2時間値が200mg/dL以上、あるいは随時血糖値が200mg/dL以上
- ②HbA1cの数値:6.5%以上
※①と②の条件に該当するという方は糖尿病と診断されます。①あるいは②のどちらかが当てはまるという場合は「糖尿病型」と診断され、再検査となります。前回と同様の条件下で行い、それでも①か②の一方だけ該当するとなれば、糖尿病となります。
糖尿病の種類について
血液中のブドウ糖が細胞に取り込まれるには、膵臓から分泌されるホルモンの一種インスリンの働きが不可欠となります。
つまり糖尿病は、このインスリンの作用不足によって引き起こされます。
このような状態になると、血液中でインスリンは減ることがなくなり、増えていく一方でダブついてしまい、慢性的に血糖値が上昇したままとなるのです。
なお一口に糖尿病と言いましても大きく4つのタイプに分けられます。
ひとつは、インスリンを作成する膵臓のβ細胞が自己免疫反応などによって破棄され、インスリンがほぼ分泌されなくなる1型糖尿病です。
1型については、子どもや若年成人の患者数が多いのも特徴です。
また2型糖尿病は、全糖尿病患者様の9割程度を占めるとされるもので、糖尿病になりやすい体質に加え、日頃の不摂生な生活習慣(食べ過ぎ、運動不足、多量の飲酒、喫煙等)の蓄積などが組み合わさることで発症するといわれています。
中高年世代で発症することが多く、膵臓は疲弊した状態となっており、これによってインスリンの分泌量が十分でなかったり(インスリンの分泌量不足)、量が十分でも効きが悪い状態(インスリン抵抗性亢進)であったりしています。
上記以外では、その他の病気(肝疾患、内分泌疾患 等)や薬剤の影響(ステロイドの長期投与
等)に伴って発症するなどの二次性糖尿病があります。
さらに妊娠によって胎盤から分泌されるホルモンが、インスリンの効きを悪くさせることで血糖値を上昇させてしまう妊娠糖尿病というのもあります。
主な症状について
先でも触れましたが、発症初期で自覚症状がみられることは、ほぼありません。
ただある程度まで病状が進行すると、喉の異常な渇き、多飲多尿、全身の倦怠感、食欲はあるが体重が減少していくなどの症状が現れるようになります。
それでも放置を続けていくと、血管障害を招くようになります。
とくに細小血管が集中する、網膜、腎臓、末梢神経で発症しやすいことから、これらの部位で起きる合併症は糖尿病三大合併症(糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害)と呼ばれています。最悪の場合、失明や足の壊死がみられたり、人工透析が必要となったりするので注意が必要です。
また太い血管(動脈)では、動脈硬化を促進させるので、こちらも無治療が続けば、脳血管障害(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)や虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)など重篤な合併症の発症リスクが高くなります。
このような状況に陥らないためにも、血糖値の上昇に気づいたら医療機関を受診し、必要であれば治療や予防対策を行うようにしてください。
治療について
1型糖尿病の患者様については、体内のインスリンが圧倒的に不足しているので、体外からインスリンを補充していく、インスリン注射を行っていきます。
2型糖尿病の患者様では、わずかながらもインスリンが分泌されているので、まずは日頃の生活習慣を見直していきます。
最も大切なのが食事療法です。
日頃から食べ過ぎてしまうのは、膵臓に大きな負担をかけることにつながるので、適正なカロリー摂取が求められます。
1日の適正エネルギー摂取量の目安については、次の通りです。
- 適正エネルギー摂取量=標準体重(kg)×身体活動量(kcal)
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標準体重:
身長(m)×身長(m)×22身体活動量:
デスクワークなどの軽労働 25~30kcal/kg
立ち仕事の多い職場 30~35 kcal/kg
重労働(力仕事などが中心) 35 kcal/kg以上
また食事内容も大切で、炭水化物、脂質、タンパク質の三大栄養素をバランスよく摂取していくことも大切です。
例えば、炭水化物は総エネルギー摂取量の50~60%にする、タンパク質は1日約50~80g摂取する、脂質は総エネルギー量の25%以下にするといったものです。
上記のことだけでは、どのような食事メニューにすればわからないという場合は、食品交換表をご活用ください。
このほか、日頃から身体を動かすことはインスリンの働きを改善させることにもつながるので運動療法も取り入れます。
内容としては、有酸素運動が最も有用とされ、中強度の強さ(息がやや上がる程度)で、ウォーキングなら1日30分以上行うようにします。
継続的に行うことが重要なので、可能であれば毎日が望ましいです。
上記のみでは、血糖値のコントロールが難しいという場合は、併行して薬物療法も行います。
この場合、経口血糖降下薬が用いられますが、患者様の糖尿病のタイプなども把握しながら、インスリン抵抗性を改善させる薬(ビグアナイド薬、チアゾリジン薬
等)、インスリンの分泌を促進させる薬(スルホニル尿素薬、速効型インスリン分泌促進薬 等)などが用いられます。
薬物療法でも効果がみられないとなれば、1型糖尿病の患者様と同様にインスリン注射となります。
脂質異常症
脂質は血液中に含まれるもので、コレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸の4種類あります。
その中でも中性脂肪やLDL(悪玉)コレステロールが必要以上に多い(高脂血症)、HDL(善玉)コレステロールが極端に少ないと判定されると脂質異常症と診断されます。
発症の有無は、血液検査によって判明しますが、主に3つのタイプに分けられます。
具体的な数値につきましては以下の通りです。
- 高LDLコレステロール血症
- LDLコレステロール血症が140mg/dL以上
- 高トリグリセライド血症
- 中性脂肪(トリグリセライド)が150mg/dL以上
- 低HDLコレステロール血症
- HDLコレステロールが40mg/dL未満
自覚症状がなく、病状を進行させやすい
脂質異常症に罹患していても、自覚症状が出にくいので、多くの患者様は発症に気づくことがなく、健診結果などから発症していることが判明するケースが少なくありません。
それでも無症状であることで放置をさらに続けることになれば、どのタイプの脂質異常症であっても血管内にLDLコレステロールが蓄積しやすくなり、これが動脈硬化を促進させやすくします。
さらに病状を進行させれば、蓄積したコレステロールによって血管狭窄や血管閉塞が起きることもあり、脳血管障害(脳梗塞
等)や虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)といった重い合併症を発症させることもあるので注意が必要です。
なお発症の原因については、家族性高コレステロール血症等の遺伝的要因、不摂生な生活習慣の蓄積(過食、運動不足、飲酒、喫煙 等)のほか、肥満、別の病気(糖尿病、内分泌疾患(甲状腺機能低下症 等)など)に罹患している、薬物の影響(ステロイドの長期投与)といったことが挙げられます。
治療について
脂質異常症と診断された患者様は、まず生活習慣の見直し(食事療法、運動療法)から始めていきます。
食事療法では、コレステロールの多い食品(卵黄、魚卵、レバー、肉の脂身、魚の干物 等)や油の多い料理(揚げ物、ピザ
等)は避けます。
その一方で、コレステロールの蓄積を妨げる食物繊維の多い食品(きのこ、海藻類、野菜
等)を積極的に摂取し、タンパク質をとる場合は、青魚、鳥のささ身、大豆製品などを選択するのが望ましいです。
このほか、高トリグリセライド血症の患者様では、糖分を多く含む食品やお酒を控えるほか、低HDLコレステロール血症の患者様であれば、トランス脂肪酸の過剰摂取を避けてください。
また身体を適度に動かすことは、HDLコレステロールを増やし、中性脂肪を減少させる効果が期待できます。
内容は軽度な有酸素運動(息が弾む程度)で、ウォーキングや水中歩行であれば1日30分以上で十分です。
ただできるだけ毎日行うようにしてください。
生活習慣の見直しだけでは、LDLコレステロールを目標の数値まで下げられないという場合は、薬物療法も併行させます。
主にスタチン系薬剤を用いて、LDLコレステロール値を下げていきますが、必要であれば、フィブラート系薬剤(中性脂肪を下げる効果がある)なども使用していくことがあります。
肝臓疾患について
肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、病気が進行するまで自覚症状がほとんど現れないことが少なくありません。
慢性的な肝炎を放置すると、肝硬変や肝がんへ進行する可能性があるため、早期発見と適切な治療が重要です。
また、当院は千葉県肝疾患契約医療機関に指定されております。「千葉県肝炎治療特別促進事業」として、B型およびC型肝炎に対する抗ウイルス治療(インターフェロン治療、インターフェロンフリー治療及び核酸アナログ製剤治療)への公費負担による助成制度を受けられます。
B型肝炎
B型肝炎ウイルス(HBV)感染によって起こる肝炎です。急性肝炎として発症する場合と、慢性的に感染が持続する「慢性B型肝炎」があります。
慢性化すると肝臓に持続的な炎症が起こり、肝硬変や肝がんのリスクが高まります。
感染経路
- 母子感染
- 血液・体液を介した感染
検査・治療
- 血液検査(HBs抗原、HBV-DNAなど)
- 必要に応じて超音波検査
抗ウイルス薬によりウイルス増殖を抑え、肝硬変・肝がんへの進行を予防します。定期的な経過観察が重要です。
C型肝炎
C型肝炎ウイルス(HCV)感染による肝炎です。慢性化しやすいことが特徴です。
自覚症状が乏しいまま進行し、肝硬変や肝がんの原因となります。
検査・治療
- 血液検査(HCV抗体、HCV-RNA)
- 肝機能検査
- 画像検査
現在は直接作用型抗ウイルス薬(DAA)により、短期間の内服で高い確率でウイルス排除が可能となっています。早期治療が将来の合併症予防につながります。
自己免疫性肝炎
免疫の異常により、自分自身の肝細胞を攻撃してしまう病気です。中高年の女性に多い傾向があります。
症状
- 倦怠感
- 肝機能異常
- 黄疸(進行例)
検査・治療
- 血液検査(自己抗体、IgG高値など)
- 必要に応じて肝生検
治療は主にステロイド療法を中心とした免疫抑制治療です。適切な治療により炎症をコントロールできます。
原発性胆汁性胆管炎(PBC)
自己免疫の異常により、肝臓内の細い胆管が徐々に破壊される慢性疾患です。以前は「原発性胆汁性肝硬変」と呼ばれていました。
症状
- かゆみ
- 倦怠感
- 健診での肝機能異常
検査・治療
- 血液検査(抗ミトコンドリア抗体:AMA)
- 肝機能検査
- 画像検査
治療にはウルソデオキシコール酸(UDCA)を使用し、病気の進行を抑制します。定期的なフォローアップが必要です。
脂肪肝
脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積した状態を指します。健康な肝臓でもわずかな脂肪は含まれていますが、肝細胞の30%以上に脂肪がたまると脂肪肝と診断されます。
初期の段階では自覚症状がほとんどなく、健康診断の血液検査や腹部エコー検査で偶然見つかることが少なくありません。しかし放置すると、肝炎や肝硬変、さらには肝がんへと進行する可能性があるため、早期の対策が重要です。
脂肪肝の種類
1. アルコール性脂肪肝
過度の飲酒が原因で発症します。長期間の飲酒により肝臓での脂肪代謝が障害され、脂肪が蓄積します。
2. 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
飲酒習慣がほとんどないにもかかわらず発症する脂肪肝です。肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病と深く関連しています。
その中でも、炎症や線維化を伴うタイプは**非アルコール性脂肪肝炎(NASH)**と呼ばれ、進行すると肝硬変や肝がんに至ることがあります。
主な原因
- 肥満(特に内臓脂肪型肥満)
- 過食・高カロリー食
- 運動不足
- アルコールの過剰摂取
- 糖尿病や脂質異常症
近年は、いわゆる「やせ型脂肪肝」も増えており、体型に関わらず注意が必要です。
症状
多くの場合、初期には症状がありません。
進行すると以下のような症状がみられることがあります。
- 全身のだるさ
- 食欲不振
- 右上腹部の違和感
- むくみ(重症化した場合)
症状が出た時点では病状が進んでいることもあるため、定期的な健康診断が大切です。
検査・診断
- 血液検査(AST・ALT・γ-GTPなど)
- 腹部超音波(エコー)検査
- 必要に応じてCT・MRI検査
- 線維化の評価(血液マーカーや専門的検査)
当院では、患者さまの状態に応じて適切な検査を行い、肝臓の炎症や線維化の程度まで丁寧に評価いたします。
慢性腎臓病(CKD)
慢性腎臓病とは
腎機能の低下、または尿異常(たんぱく尿など)が3か月以上続く状態を指します。
早期には症状がほとんどありませんが、進行すると腎不全に至る可能性があります。
主な原因
- 糖尿病
- 高血圧
- 慢性糸球体腎炎
- 加齢
- 生活習慣病
特に糖尿病や高血圧のある方は注意が必要です。
症状
初期は無症状のことが多く、健康診断の尿検査や血液検査で発見されます。
進行すると以下の症状がみられます。
- むくみ
- 疲労感
- 食欲低下
- 夜間頻尿
- 息切れ(重症例)
検査
- 血液検査(クレアチニン、eGFR)
- 尿検査(たんぱく尿、尿潜血)
- 超音波検査
定期的な検査により、早期発見・進行予防が可能です。
柏、我孫子、沼南、手賀沼エリアにお住まいの方へ
健康診断で「肝機能異常」「腎機能低下」「血圧が高い」「血糖値が高い」と指摘されたことはありませんか。
あるいは、いびきや日中の強い眠気、体重増加が気になっていませんか。
脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群、慢性腎臓病はいずれも初期には自覚症状が乏しく、気づかないうちに進行することがあります。そしてこれらは、高血圧・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病と密接に関係しています。
生活習慣病は「年齢のせい」ではありません。
適切な検査と継続的な管理により、進行を防ぎ、改善を目指すことができます。
健診結果が気になっている方、症状に心当たりのある方は、お一人で悩まずにご相談ください。
将来の健康を守るため、私たちがしっかりサポートいたします。
